Swift Playgroundsで学ぶiOSプログラミング

日本語も絵文字もオッケー!Swiftで「変数」を使う

文●柴田文彦 編集●吉田ヒロ

2016年08月29日 17時00分

 その有力な方法のひとつが、その単語を変数として「宣言」することです。この宣言というのも、プログラミング用語ですが、変数を宣言するとは、「これからこの単語を変数として使いますよ」とSwiftに通知しておくということです。

 前回の最後の部分でも例を示しましたが、変数を宣言するには「var」という一種の命令を使います。これはSwiftが最初から知っている単語です。それに続けて(半角スペースで区切って)、変数の名前として使いたい単語を書いてやればいいのですが、Swiftはちょっと気難しいところのある言語なので、それだけでは変数として認めてくれません。

 変数を宣言する際には、その変数の「型」を指定する必要があります。変数の名前の後ろに半角の「:」(コロン)を付け、さらにその後ろに型の名前を書きます。前回の例ではFloatとDoubleを区別するために、それぞれの型を指定していました。他の型としては、前回登場した整数を表すIntももちろん使えます。

varというキーワードを使い、名前と型を「:」で区切って書けば、変数を宣言することができます

 数値の型としてよく使うDoubleとIntを区別するだけなら、いちいち型の名前を指定しなくても、最初から値を「代入」することで、同時に暗黙的に型を指定することもできます。代入という言葉は数学にも出てきますが、プログラミングでも意味はだいたい同じです。変数に何らかの値を割り当てることです。変数を宣言しながら代入すると、それがその変数の最初の値となります。そうした変数が生まれながらに持つことになる値を「初期値」と言います。この際は、初期値の数値の書き方によって、その変数の型が決まります。初期値に小数点が含まれていればDouble、いなければIntになります。

変数は宣言すると同時に数字で値を指定して初期化することができます

 変数として宣言したものは、一般の数字の代わりに数式に混ぜて使うことができます。

宣言して初期化した変数は、式の中で自由に使うことができます

 2つ以上の変数を宣言しておいて、変数だけを使って計算することも可能です。その際、初期値のない変数をいきなり式の中で使おうとするとエラーになるので注意しましょう。エラーの内容は「Variable '変数名' used before being initialized」(「変数名」という変数が初期化される前に使われた)というもので、言われてみれば納得できるでしょう。

初期化していない(値を持っていない)変数をいきなり使うと、やはりエラーが発生します

絵文字も変数名にできる

 ところで、上の例では変数の名前として「orange」という英単語や、英文字と数字の組み合わせを使いました。2年ほど前、最初にSwiftが発表されたとき話題になったのですが、実はSwiftでは英単語だけでなく、日本語の単語や、さらには絵文字までも変数名として使うことができるのです。

 この性質を使って、例えば「みかんが3個、りんごが5個ありました。合計の数はいくつでしょう」などといった小学校の算数のようなものをSwiftのプログラムで視覚的に表すことができます。

Swiftでは、漢字や絵文字なども変数の名前として使うことができます

 これがプログラミング言語の特徴として優れたものであるかどうかはよくわかりませんが、ある種の親しみやすさを醸し出すことはできるでしょう。いろいろな単語を変数として宣言して、値を代入したり、計算したりして遊んでみてください。

次回の予定

 次回は、算数の世界をそのまま置き換えたような四則演算や三角関数ではなく、プログラミング言語ならではの演算をいくつか取り上げます。中には意外に感じられるものも含まれていることでしょう。

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