MCコジマのカルチャー編集後記

iPhone 7にはBluetoothイヤフォンしかないと思った理由【倶楽部】

文●コジマ

2016年09月27日 08時00分

 手に取らないとわからないかもしれませんが、これが想像よりずっとやわらかく、華奢な手触り。さすがに数回の使用で断線ということはないでしょうが、それにしても、「あっ、これは長時間使えないな」と思わされてしまった。

 では、Lightning接続のイヤフォンにするかとも思いましたが、そうすると、その間の充電ができなくなる。やはりBluetoothか、時代は無線なのか……と感じた次第です。

 なんだか文句ばかり言っているようですが、もちろん新しいカメラの性能はすばらしいし、防水・防塵対応もうれしいところ。それにジェットブラックほど話題になっていないもう一つの新色・ブラックは、シックな黒さでとても気に入っています。このカラーを見ていたら、ジャケットを思い出したアルバムがあるので、紹介させてください。

今日の作業“中”BGM
Food「This Is Not A Miracle」

Image from Amazon.co.jp
This Is Not a Miracle

 FoodはThomas Strønen、Iain Ballamyの2人を中核とするグループ。メンバーは流動的なようで、4人編成だった時代もあります。このアルバムは2015年発表の最新作。

 "The Most Beautiful Sound Next To Silence"(「沈黙の次に美しい音」)というコンセプトで知られるECMレーベルから発表された作品らしく、いわゆるジャズではなく、エレクトロニクスをふんだんに使用した不思議な音作りが特徴。ゲストに、坂本龍一との交流でも知られるChristian Fenneszを迎えています。

 Iain Ballamyのサックスをのぞけば、ジャズの要素はほとんどありません。Christian Fenneszのギターは旋律というよりもノイズを漂わせるような独特の音色。といっても騒がしいのではなくて、音と音の隙間に余韻を漂わせるような、独特のアンサンブルです。


 アンビエントといえばそうなのかもしれませんが、ドラムとギターの音を聴かせる瞬間もあり、泣きのメロディーが聴こえる瞬間もあり。ではロックっぽいかといえば、そういうわけでもない。ジャンル的には、ポストロックと呼んでもいいかも。

 遠くの方で鳴っているようなギターのフィードバック音、曖昧に加工された電子音、叩きすぎないドラムのすき間から、感傷的な世界が顔を出すあたりは、単なる思いつきやその場のアイディアなどで即興的に作られたわけではないことをうかがわせます。

 ジャケットが音を言い表しているかもしれません。モノクロの空に、雲がちぎれとんでいく様をとらえた写真。どこかで経験したことがある気もする、ない気もする……新しいような、懐かしいような、ここにしかない雰囲気の音楽と表現したら、詩的に過ぎるでしょうか。


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