MCコジマのカルチャー編集後記

Bluetoothイヤフォン選びは遅延に気をつけろ【倶楽部】

文●コジマ

2016年10月06日 08時00分

 それは遅延です。Bluetoothイヤフォン/ヘッドフォンでは、音質の点での不満はなかったとしても、ゲームのプレーや、動画を視聴するとき、画面に対して音のほうが遅れて聴こえる場合がある。

 「音ゲー」をプレーする場合、あるいはライブ映像を視聴する場合、これはかなり致命的な問題になります。この辺りは、店頭で音質を確かめているばかりだと、意外と気づかないところ。遅延にも注意して、後悔無く選びたいものです。

今日の作業“中”BGM
John Coltrane「Blue Train」

Image from Amazon.co.jp
ブルー・トレイン+3

 ジョン・コルトレーンといえばジャズ史に燦然と輝く巨人ですが、彼を聴く「最初の1枚」を選ぶのは意外と難しい気がします。愛好家の中には晩年の作品を挙げる人もいますが、どこか求道者めいた長尺の演奏は、入門には少し厳しいかもしれない。

 一般的には「Ballads」が挙げられることが多いのでは。たしかに美しいアルバムですが、所狭しとブロウする熱い演奏を聴きたいとなれば、むしろこの「Blue Train」(1957年)ではないでしょうか。

 ジャズの名門・ブルーノートに、コルトレーンが唯一残したリーダー作。重厚な演奏がずらりと並びます。コルトレーン自身がほとんどの楽曲を作曲。ソロの後ろでトランペットとトロンボーンがリフを奏でたり、リズムが倍テンポになったりと、きめ細やかなアレンジが効いているのは、その辺りに理由があるのかもしれません。

 トランペットのリー・モーガンとドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズは、コルトレーンのフィラデルフィア時代の仲間。トロンボーンのカーティス・フラーとも旧知の仲。ベーシストのポール・チェンバースは当時のマイルス・ディヴィス・グループでの同僚と、気心の知れた面子を揃えたのもプラスでしょう。

 聴きどころは、やはりコルトレーンの吹きまくるテナー。もはや「疾走」という感じ。縦横無尽に吹いていて、気持ちがよいの一言。まず1曲目の「Blue Train」から、アツい。分厚いテーマから飛び出してきたコルトレーンが、可能な限り音符を敷き詰めようとするかのごとく、吹く、吹く、吹く。その後にリー・モーガン(当時19歳。ええー……)が、「パラ、パラ、パラ……」というフレーズで場を落ち着かせ、そしてブリリアントな音色で吹きまくる。続いて出てくるカーティス・フラーの丸みのあるトロンボーンが、絶妙なアクセントになっています。この1曲で、もう参りました、という感じ。

 アルバム中唯一のスタンダードである「I'm Old Fashioned」も名演。ちょっと薄くてテリブルな音色のコルトレーンが、ゆったりとバラードを吹く様は、まさにジャズを聴く喜びそのもの、と言ったら、いささか大げさでしょうか。


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