かつてSIMフリースマホといえば「安さ」が一つの注目点でした。主要キャリアのスマホよりもオトクに使える、という点は、SIMフリースマホが選ばれる強い理由の一つだったのです。
しかし、今やSIMフリースマホもスペックで選ぶ時代なのかもしれません。たとえばZenFone 3の上位モデル「ZenFone 3 Deluxe」は税抜8万9800円という高価なモデルですが、スペック面では妥協がありません。CPUはSnapdragon 821(2.4GHz、クアッドコア)、6GBメモリー、256GBストレージ、3000mAhバッテリー、3波のキャリアアグリゲーション/DSDS対応とてんこ盛り。
FREETLELの「極2」も特にCPUは国内では初の10コア(デカコアと呼ぶのでしょうか?)となる「MediaTek Helio X20 MT6797」を採用。ディスプレーはWQHD解像度(1440×2560ドット)の5.7型有機EL、4GBメモリー、64GBストレージ、16メガカメラ(イン8メガ)、3400mAhバッテリーと、なかなか。こちらの価格は税抜4万9800円です。
ハイスペックモデルが大々的に発表されるということは、そのモデルが市場で求められていることの証明でもあるでしょう。安かろう……ではなく、SIMフリーでもスペックを追い求める層は増えてきているはずです。
一方で、コスパのよいスマホが多い、いわゆるミドルレンジモデルの機種も幅広いメーカーが手がけています。こちらの価格帯にも、引き続き注目していきたいところ。
今日の作業“中”BGM
Danny Wilson「Meet Danny Wilson」
Image from Amazon.co.jp |
Meet Danny Wilson |
映画「シング・ストリート 未来へのうた」はご覧になったでしょうか? 音楽好きな兄とミュージックビデオを見るのが趣味という、さえない日々を送っていた少年がバンドを組み、ストリートや海辺でビデオのゲリラ撮影を重ね(このシーンがまたなんとも、「あちゃあ……」みたいな感じなんですよ)、恋愛や友情がそこに絡んで……というようなストーリー。
全体的にすっきりさわやかというわけではなく、登場人物がみんな「トホホ」な感じで、その愛すべきダメさ加減に胸が締め付けられます。1980年代には洋楽を聴いていたなあ、バンドを組んでいたなあ、なんていう方々にはかなり「刺さる」映画ではないかと。
さて、この映画内では、「当時(1980年代)の実在の楽曲」が使われるのはもちろん、「当時(1980年代)の実在の楽曲に影響を受けて作ったオリジナル楽曲」がこの映画のために作られ、劇中に登場するバンドが演奏。それらが総じて「それっぽいなあ!」という仕上がりになっており、ニヤリとさせられます。
前置きが長くなりましたが、その「1980年代風の楽曲」を作曲した一人に、ゲイリー・クラークがいます。彼は80年代に本当にバンドを結成して活動していたバンドマンでして、そのバンドこそ、Danny Wilson。なんだか人名みたいなバンド名ですが、3人組です。デビュー曲(正確に言うと、それをリミックスして再発したシングル盤)の「Mary's Prayer」は全英3位という大ヒット曲になりました。
若々しさ、泣きの要素が入っていながら、アコースティックな音作りにセンスのよさを感じさせます。青いソウルフルといえばよいのか。デビューアルバム「Meet Danny Wilson」、セカンドアルバム「Bebop Moptop」の2枚を残して解散。両方ともよい作品ですが、たぶん、本国では「Mary's Prayer」の一発屋扱いなのでしょう。いや、これもかなりの名曲なんですが……。その1曲だけで片付けてしまうには、あまりにも惜しい。
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しかしこの曲のミュージック・ビデオ、いかにも80年代ですね……。いかにも1980年代のイギリスのバンドといえば、それまでなのかもしれません。しかし、地味ながら、いい曲を書いていたんですよね。当時のイギリスの少年たちは、こんな音楽を聴き、そのミュージック・ビデオを見ながら、胸を焦がしていたのでしょう。
コジマ
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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