MCコジマのカルチャー編集後記

ケーブル地獄から抜け出したい【倶楽部】

文●コジマ

2016年10月12日 08時00分

 とにかく、ケーブルを多く使う職場なんですね。アスキー編集部のほとんどの人がそう。PCを使う、それらを周辺機器と繋ぐ、スマホを充電する……と、机の周りがスパゲッティ・モンスター状態になっている人も。編集部員は机の上が汚い場合が多く(これは個人の資質にもよりますが)、そこにケーブルが絡むと地獄が待っています。

 長いケーブルを丸めて結束バンドで縛る、ということはよくある。しかし、それでも本数自体が少なくなることはない。かといって一本一本出したり閉まったりというのもナンセンス。というわけで、それをうまくまとめておく場所ができるとうれしいなあ……と素朴に思う。

 だからこそ、机の横にくっつけられるケーブルホルダーって、とてもよいのではないかと思いました。もしかしたら個人的に購入するかもしれません。その際には、使い心地など軽くレビューしてみようと考えています。

今日の作業“中”BGM
Dabrye「One/Three」

Image from Amazon.co.jp
One Three

 ダブリーはデトロイトを拠点に活動するタッド・マリニックスのプロジェクト。ヒップホップに近い作風の音楽で、このアルバムは2001年発表ですから、15年も前になります。

 「ヒップホップに近い」とわざわざ書いたのは理由があって、音使いはエレクトロニカのそれに近い。とにかくメカニカルな電子音が主体。サンプリングされたと思しき生音もあるのですが、ほとんど加工されて原型を留めておらず、ビートを刻む音も「ブニッ」「ビチッ」という感じ。


 そして、音の数がとにかく少ない。ひたすらビートと上モノの出し入れで勝負。ストイシズムさえ感じます。しかもこのアルバムではラッパーが参加するわけでもなく、全曲がインストゥルメンタル。間の美学といえばよいのか、スカスカな音のすき間と、繰り返しの中に微妙な変化を忍ばせることで、少しずつ展開させていく。その徹底ぶりがすごい。

 ジャケットが音を端的に表しているような気がします。余白をいっぱいに取りつつ、似たような色合いのレイヤーを少しずつズラしていくことで、独創的なヒップホップに仕立てあげてていく……。

 いわゆる「8bit」なチップチューンを好きな人にも受け入れられる音楽かもしれません。余計な要素を削ぎ落とすようにシンプルな音作りが、逆に今聴いても新鮮かも。


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