シンプルなのに情景が浮かび上がる
ステージは実在する都市がテーマ。都市のラインアップは、ロンドン、パリ、ベルリン、ニューヨークに始まり、香港、サンクトペテルブルグ、カイロといった世界中の13の都市が含まれています。中には大阪とサンフランシスコも入っていました。
都市が変わると、路線の色は、各都市に存在する地下鉄のラインカラーに合わせられます。それだけではなく、各都市の地形や交通状況が反映されている点も楽しめるのです。
首都の交通を担う機能性が求められたり、のんびりとした風景の再現、爆発する都市の人口とスプレッドへの対処、運河に阻まれる交通、といったテーマ性があります。記号と線で構成されながらも、都市の個性が情景として浮かび上がってくるのです。
大阪では、新幹線を配置して、都市間の高速大容量の移動手段を利用することができます。イメージとしては、京都・新大阪・神戸の新幹線駅と、大阪市内の路線、ということなのでしょうか。
東京はさすがに……
さて、東京は地下鉄移動が中心になるので、Mini Metroを地下鉄に乗りながらプレーする、というのはなかなか良い体験でした。ヘッドフォンで聞こえてくるアンビエントな音楽に、実際の地下鉄の走行音が加わり、よりゲームのリアル感を高めてくれます。
ただ、Mini Metroには、「東京」ステージがありません。
ニューヨークやパリが再現できているのだから、東京も、ステージ難易度は高くても取り入れて欲しいところです。個人的な希望としては、Mini Metroのモバイル版セカンドリリースのための隠し球にしているんじゃないか、と。
世界の複雑な地下鉄は網羅されていると思いますが、経験上、複雑さで言えばソウルがトップだと思いますので、こちらも再現してほしいところです。
今一度、ちょっとでも交通や都市が好きな人は、非常に中毒性が高くなる可能性がありますので、ダウンロードはぜひ週末に。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura