中国ではテレビをネット回線経由で見るのが常識
購入した三洋ブランドの42インチ液晶テレビ「42CE5100A」は「X-Vizon画像処理エンジン」を搭載。
スペックは、LEDバックライト搭載でフルハイビジョン(1920×1080)、6W×2のステレオスピーカー搭載。無線LANを内蔵し、コネクター類はUSB×2、HDMI×2、アナログRGB、LAN、コンポーネント、microSDカード、イヤフォンジャック、同軸となっている。
現在中国では、録画専用機は使わず(売られてないことはないが非常に少ない)、外付けのセットトップボックスをHDMI経由で接続し、DVDプレーヤーをVGAケーブルでつなぐのが一般的。
アンテナケーブルの利用は非常事態に使うくらいで、基本的にはインターネットを利用する。スマートテレビでなければ、ADSL契約時についてくるセットトップボックスを利用する。
OSはAndroid4.4.2ベースで、「芒果(マンゴー)tv」によるカスタムROMとおぼしきものが入っている(スペックシートなどには搭載OSについて書かれていない)。
この芒果tvというのは、中国で比較的人気のテレビ局「湖南電視台」によるプラットフォームで、湖南電視台特選の中国コンテンツを中心に、多数のコンテンツがビデオ・オン・デマンドで見られるほか、そのほかの地元のテレビ局や中央電視台(CCTV)、中国各地のテレビ局のチャンネルが選べる。
「そうはいってもそんな建前のお堅い動画再生機はいらないよ」というニーズがあるのか、筆者が三洋のテレビを購入するや、店員は商品を開封し稼働チェックをしてくれるついでに、手持ちのUSBメモリーをテレビに差し、もっとさまざまな動画コンテンツが見られるアプリをインストールしはじめた。
作業すること小一時間。インストールは完了し、市民のニーズに応えたアプリを搭載したテレビを持ち帰ることができた。
やもすると、いまだに中国パソコン市場ではあるあるの「DOSがプリインストールされたPCを購入したらWindowsとソフト一式が入っていた」と同じ現象に見えがちである。
スマートテレビで見られる動画コンテンツは制限されていて、PCで見られる動画コンテンツがそのまま見られるわけではないので、スマートテレビでPC向けの動画コンテンツも見られるようなアプリを入れてあげますね、という店の内緒のカスタマーサービスなのだ。「官に政策があれば民に対策あり」はテレビでもある。
SANYOロゴがあるが、中身は中国のスマートテレビ
そんなわけで、三洋ブランドのテレビを買ったが、パッケージには「三洋のほか長虹が作りましたよ」と書いてあり、三洋らしさは、本体とリモコンについたロゴ、それに起動時のSANYOロゴくらいしかない(ちなみにその起動時には、Windows XPの起動音っぽい音が鳴る)。
利用するスマートテレビ用アプリに差があるかというと、結局はどのスマートテレビを買っても利用するアプリは一緒なので、テレビメーカー各社での差別化がほとんどできてないのが現状だ。