MCコジマのカルチャー編集後記

「AirPods」のポイントはケースにある【倶楽部】

文●コジマ/ASCII

2016年12月26日 08時00分

 AirPodsはケーブルなし、左右独立しているイヤフォン。便利な反面「なくしそうだなあ」と思う人も多いハズ。

 しかしながらAirPodsがスマートなのは、ケースが充電器を兼ねていること。これによって、「充電したい→収納する(なくしにくい)」という意識付けができる。また、ケースから出して耳に装着すればすぐに電源がオンになるので、ユーザーはストレスを感じない。収納を厭わなくなるわけです。

 ケースに入れて充電できるイヤフォンとしては「Xperia Ear」「Apollo 7」などがありますが、このタイプの充電システムを採用したBluetooth接続のイヤフォン、今後増えていきそうな気がします。

今日の作業“中”BGM
Tobias Wilden「Artifacts / Scenes - Piano Works」

Image from Amazon.co.jp
Artifacts / Scenes - Piano Works

 トビアス・ヴィルデンは北ドイツのミュージシャン。独学で学んだギターとピアノで楽曲を発表しています。このアルバムはインターネットで発表されている2枚の作品(「Artifacts」「Scenes, In A Day」)をまとめた日本独自の企画盤。

 ヴィルデンは、クラシックならフランスの印象派(ドビュッシーやラヴェルなど)、ジャズならビル・エヴァンス、エロール・ガーナーに影響を受け、ピアノで作曲を始めたといいます。

 「Scenes」(アルバム後半)はそんな彼がピアノを弾き始めたころの録音。「Artifacts」(アルバム前半)は南ドイツに滞在したころの録音をまとめたものです。とはいえ、前後半で大きく雰囲気が変わるわけではなく、1枚のアルバムとして違和感なく聴けます。



 彼の本業はデザイナー/フォトグラファーだそうで、音楽にもそれが表れているように思います。最初から最後までかっちりと曲構成を作るのではなく、シンプルなメロディーや和音がゆっくりと並んでいく。感情の些細な移り変わりや風景の一瞬を切り取ったよう。

 どの曲もゆったりとした「間」が印象的。気取って難しくするのではなく、あえて音数を絞ることで、音の一つ一つを積み重ねていくような楽曲は、今の時期、窓から降り積もる雪を見ているような気分にさせてくれる。

 ピアノの音色が好きという人から、落ち着ける音楽を探している人まで、多くの人に薦められる作品になっています。雰囲気のよいジャケットも(本人が手がけているそう)、センスがあふれていますね。


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