それは自分の荷物、そして財布の管理。そう、バルセロナはスリや置き引きがとても多いのです。さすがに強盗などは少ないようですが、日本人を狙ったスリはしょっちゅうだそう。被害にあう観光客が後を絶たないといいます。
ASCII編集部から出張したスピーディー末岡さんも、かつてMWC取材中に、スリにあったことがあるとか。地下鉄で移動していたスピーディーさんに犯人がそっとしのびより、あっという間に財布を抜き取られたのですが、取材に同行していた方がハッと気付いた。スピーディーさんがあわてて犯人に近づいたら、なんと犯人、さも落とし物を発見したかのようにトボけて返してきたとのこと。
しかしスピーディーさん、なにしろ人が良い性格のため、彼らが本当に拾ってくれたのかと思い、つい「サンキュー」と言いかけてしまったそうな……。これでチップでも払った日には、目も当てられないですね。
MWCを訪れる予定の人はもちろん、仕事でもプライベートでもバルセロナに行くかもしれないという人は、どうか油断なさらぬように。
今日の作業“中”BGM
La Düsseldorf「La Düsseldorf」
Image from Amazon.co.jp |
ファースト・アルバム <Progressive Rock 1300 SHM-CD> |
1970年代に、クラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターで結成されたノイ!(NEU!)というバンドがいました。ハンマー・ビートと呼ばれた執拗な8つ打ちのバスドラム、軽快なギター、やる気があるのだかないのだかよくわからないボーカルなど、後のパンクやニューウェーブに絶大な影響を与えたバンドです。
ノイ!が解散したあと、クラウス・ディンガーが弟のトーマス・ディンガーらと結成したのが、このラ・デュッセルドルフ。ノイ!は「NEW!」、つまりスーパーマーケットなどで見かける「新製品!」というポップ広告をもじったものですが、ラ・デュッセルドルフはいわずもがな、ドイツの都市名ですね。
1976年に発表された本作は、彼らのファースト・アルバム。ジャケットの夜景はデュッセルドルフ空港の夜景。ちなみにドイツのプログレッシブ・ロックシーンで重要な存在だったプロデューサー、コニー・プランクが共同プロデュースで参加しており、奥行きのあるキーボードの音色、大胆なギターやボーカルの加工など、彼の貢献も大きいようです。
ただ、内容は難解ではない。というか、何も考えていないのかもしれない。何しろ1曲目が「Düsseldorf」。都市名そのままじゃないか。ドコドコとドラムが連打され、キーボードによる明快なメロディーとギターのカッティングに合わせ、「デュッセルドルフ、デュッセルドルフ、デュッセルドルフばんざい……」みたいなことを延々と歌っているのみです。デュッセルドルフが好きだということはよく伝わりますが。
そして2曲目が「La Düsseldorf」。なんとシンプルでしょう。1曲目と同じで「デュッセルドルフ、デュッセルドルフ、酒場に行こう……」みたいな歌詞で、どれだけデュッセルドルフが好きなんだという気分にならなくもない。ちょっとアップテンポになっていますが、あきれるほどのドラムの繰り返しはそのまま。
3曲目と4曲目は、ドコドコと繰り返すドラムこそ変わりありませんが、どちらかといえばゆったりしたナンバー。きらきらしたキーボードの音色と伸びやかなギターが美しく、どこまでも楽天的な音楽です。一般的にはプログレッシブ・ロックになるのかもしれませんが、あまりにも能天気すぎる気がしないでもない(褒めてますよ)。
極度に単純な歌詞、思いつきのような曲展開(というか展開しているのかコレ)など、後のパンクシーンや、さらにはダンス・ミュージックを先取りしたといえなくもありません。傑作であることは間違いない。ただ、これ、やっぱりその場のノリでやってるかもしれないなあ……。
コジマ
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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