WithingsはNokiaブランドに、プラットフォームも提供
デジタルヘルス市場は、2017年には1359億ドル、2020年には2333億ドルと今後も成長が見込まれている分野だ(Statista調べ)。
Microsoftに携帯電話事業を売却したことで、一度は撤退したコンシューマー事業だが、Nokiaは自分たちのブランドが今でも高い価値を持つと信じている。現在Nokia Technologiesが展開するコンシューマー向け製品は、スマートフォン、デジタルヘルスケア、VR「OZO」の3カテゴリとなる。スマートフォンはHMD Globalと提携してNokiaブランドをライセンスする形だが、デジタルヘルスケアは自社で展開する。
デジタルヘルスケアについては買収して社内に置くという判断を下していることから、Nokiaがこのカテゴリを重視していることがうかがえる。Nokiaは2017年のMWCで、Withingsの製品を「Nokia」ブランドにすることを発表した。
Nokiaはまた、ブランド変更に合わせて「Patient Care Platform」の提供も発表した。これらヘルスケア製品からの情報を収集し、医師や看護師らが患者の状況をモニタリングできるプラットフォームとなる。米国のヘルスケア規制HIPPAに準拠しており、すでに米国でトライアルが展開されているようだ。
これらデジタルヘルスケアもNokia Technologiesの下で提供するが、同社のCMO、Rob Le Bras-Brown氏は、ヘルスケア製品から収集できるデータ、そして接続性のニーズが主事業であるネットワーク事業に相乗効果を生むと、筆者が行なったインタビューで発言している。
ヘルスケア市場を狙うのはAppleも同じ。「HealthKit」を提供しており、消費者がヘルスケアデータを把握したり、分析するのにiPhoneを使ってもらうことを狙っている。
NokiaとAppleが将来どのような部分で協業するのかはわからないが、ヘルスケアの競争に多少なりとも影響を与えることになりそうだ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている