デザリングの実力を試す! 最大速度はちょっと物足りない!?
さて、注目のテザリングの実力を試してみたい。実力といっても要は速度で、データ通信に特化した単体のモバイルルーターと比べてどうなのかが問題。「P-smart ケータイ P-01J」に格安SIMを複数使って動作と速度を確認した。
測定は、Wi-Fiで接続した「Xperia XZ SO-01J」を使い、Xperia上の速度測定アプリで計測した。
実際にはそれぞれの格安SIMのパフォーマンス次第となるが、「OCN モバイル ONE」と「mineo」(ドコモ)、「IIJmio」の測定結果のなかでは30Mbpsを記録したものもある。
P-01Jの無線LANはIEEE 801.11b/g/n対応でMIMO非対応という仕様なので、快適に利用できる速度は出ていると言えるが、もう少し最大速度が出てもいいような気もする。
速度を計測したのは3つのSIMのみだが、LINEモバイル、楽天モバイル、イオンモバイルなども試している。音声通話対応のSIMもデータのみ、SMSなしのSIMでも特に問題なく利用できた。
また、テザリングによるバッテリー消費は、動画配信サービスを見てヘビーに使えば連続3~4時間といったところ。
テザリングで接続しておいて、資料作りでネットからたまにデータを取得する程度なら5時間近く経過したところで電池残量は目盛り5つのうちの1つになった。連続して使わなければ、なんとか1日データ通信ができて、通話待受もできそうだ。
速度も電池の持ちもほぼ問題ないことが確認できたが、気になったのは、テザリングをオンする方法。
メニューから[設定]→[外部接続]→[テザリング]という手順で項目を選ぶことになるが、それぞれの項目のなかでもデザリングまでは下矢印キーを連打しないとたどりつけないため、さっとテザリングをオンすることはできない。
P-01JにはI~IIIまでの「マルチワンタッチボタン」(ショートカットキー)があるが、これの登録は[設定]までなので、あまり手順のショートカットになっていない。
アプリはないが、使い方次第で便利なケータイ
P-01Jは安定した通話性能、コンパクトさ、比較的低価格の入手など、便利な点は結構ある。筆者が考える問題点といえば、GmailなどGoogleのサービスが簡単に利用できないことと、テザリングをオンにするときの面倒さだ。
テザリングオンの手間はともかく、コミュニケーションはLINEが主で、ほかはタブレットやPCを使い、音声通話端末とモバイルルーターだけあればいいというのであれば、P-01Jを使う価値は十分。Gmailはウェブブラウザーからなんとか利用できる。
格安SIMでフィーチャーフォンを使いまくりたいなら、最新のドコモのLTEフィーチャーフォンは検討すべきだろう。