買ったけど使えなかった中国製品
最近の中国ブランドのヒドいと感じた製品には、ハードウェアの品質面に加え、ソフトウェアのヒドさがよくある。筆者がつかんでしまった、頭を抱え押し入れに入れてしまった中国製品の一部を供養がてら紹介したい。
「新我(BETWINE)」というメーカーの「スマートハンドグリップ」は、握力強化目的のハンドグリップながらBluetoothを内蔵し、スマホで日々のトレーニングの結果を自動でまとめていく製品だ。
ボタン電池を内蔵し、LEDの発光が点滅具合で接続状況がわかり、日々の努力がスマホで表示される。
専用のアプリをダウンロードする必要はなく、中国の人気チャットソフト「微信(WeChat)」でメーカーアカウントにアクセスすると、微信内でクラウドプログラムが実行され利用できるというギミックもある。
ところが、ボタン電池を入れ、Bluetooth接続まではうまくいくものの、いくら説明書通りにアクセスしても微信内のプログラムが起動しない。
筆者のやり方の問題なのかと複数の中国人の知人に頼み、彼らのスマートフォンの微信からアクセスしても起動しない。スマートなハンドグリップになるはずが、単なるハンドグリップになってしまった。
「格物斯坦(GSTEM)」の「プログラマブルスーパーロボット(可編程超級機器人)」は、PCでコントロール可能なモーターを中心にブロックや歯車やシャフトなどの部品をつけていき犬や人型のロボットを作っていく、レゴのマインドストームに非常に似た(似せた)製品だ。
最近のPC周辺機器は、PC向けとはいえソフトウェアCDは付属せず、プログラムをダウンロードするものも多い。
例に漏れず説明書には「専用ソフトは同社サイトでダウンロード」と書いてあるものの、同社サイトにソフトウェアがアップロードされてなくて詰んでしまった。
仕方なくブロックだけでもと組んでみると、ブロックの数が足りず心の落ち込みに追い打ちをかけた。
専用アプリがダウンロードできないトラブルも
筆者が経験した2つの尖った例を出したが、ほかにも新品を買ったのに「既にアプリやドライバーソフトがなくなっていた」というケースがいくつもある。
特にPlayストアにアクセスできない中国では、Android向け機器で企業のオフィシャルサイトからアプリをダウンロードさせることも多く、そのファイルが製品販売時にはあったのに、しばらくして再インストールしようとしたときには消えていたということがよくある。
筆者が所有する「PANTUM」という中国のプリンターメーカーのサイトには、プリンタードライバーがなく、各種ドライバー配布サイトにアクセスするとサイトにスパイウェアが仕込まれていることもよくある。Windowsを再インストールしたときには、プリンタードライバーの入手には大変苦労した。
中国は変化が早いといわれるが、コンシューマー向けIT製品においても、少し製品が古くなれば、必要なソフトウェアの配信すらもすぐ放棄し、長期にわたっての製品サポートを行なわない。
いまだに多くの製品で品質面にも問題がある中国ブランドの製品が中国で、あるいは世界中で受け入れられるのなら、各利用者の低価格製品購入サイクルは長くなく、利用者は末永いアフターサポートにさほど期待していないのかもしれない。