Surface Phoneは出るのか?
そもそもSurface事業から撤退か?
そんな間にもFirefox OSやUbuntuなどが「第3のOS」に入り込もうとしたが、結果は周知のとおり。だが、Microsoftはそもそも本気だったのかという疑問がここで出てくる。
9月末に出版されたMicrosoftのCEO、Sanya Nadella氏の本「Hit Refresh」では、前任者であるSteve Ballmer氏のNokia買収を間違いだと思ったと振り返っているそうだ。
Gates氏がFox Newsで“Microsoftのソフトウェアがたくさん入った”Androidを使っていると告白したのは、その直後だ。OSで争うのではなく、クラウドサービスで勝負するというNadella氏の戦略をGates氏も認めているということなのだろう。
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Hit Refresh: The Quest to Rediscover Microsoft's Soul and Imagine a Better Future for EveryoneSatya Nadella、Greg Shaw、Jill Tracie Nichols(著)HarperBusiness
それにしてもNadella氏の手腕には驚く。大企業のMicrosoftを変えることは簡単ではないと想像するが、気がつけば表面上はMicrosoftは嫌われ役から脱している。9月にあるエンタープライズベンダーの取材をしたときにゲストとして登場したMicrosoftのAzure担当CTO、Mark Russinovich氏は「Microsoftはオープンソースカンパニーだ」と語ったが、もはやそれにも違和感はない。
気になるのは、以前から噂があった「Surface Phone」はどうなるかだ。“Andromeda”なるコードネームの「Windows Core OS」ベースの端末がリークされているようだが、調査会社であるCanalysのCEOは2019年にSurfaceブランドでのハードウェア事業から撤退する可能性もあると語っている(The Registerなどが報道、https://www.theregister.co.uk/2017/10/04/surface/)。
Windows 10 Mobileはメンテナンスモードに突入?
と、ここまで原稿を執筆したところ、MicrosoftのWindows experrience担当のトップであるJoe Belfiore氏が、Windows 10 Mobileはサポートは続けるものの、新機能や新ハードの開発に注力しないとツイートした。Windows 10 Mobileは完全にメンテナンスモードに突入したということなのだろうか。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている