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「Xperia XZ1」「Galaxy Note8」 高性能Androidスマホどっちが買い? (4/4)

文●小山安博 編集●ASCII編集部

2017年11月08日 17時00分

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カメラ機能は両者違ったアプローチ
シングルにこだわったXperia、デュアルカメラを搭載したGalaxy

 Sペンでオリジナリティーを出したGalaxy Note8、3Dクリエーターを始めエンタメ要素が強くなったXperia XZ1と別々のアプローチだが、どちらにも共通しているものがある。それはカメラへのこだわりだ。

 ここでは両者のカメラ機能を重点的にチェックする。カメラのスペックや仕上がりの傾向などは、スマホ選びの指標となるので、自分の好みのカメラを搭載したスマホを買おう。

 さて、Galaxy Note8は、Galaxyシリーズとして初めてデュアルカメラに対応した。数少ないシングルカメラのハイエンド端末だったXperiaに先んじた形だ。

Galaxy Note8のカメラは初めてデュアルカメラ化

Xperia XZ1は変わらずシングルカメラ

 デュアルカメラにするかシングルカメラにするかは、各社の考え方次第だし、最近は特に中華端末がデュアルカメラにしがちだが、これが100%正しいとは限らない。シングルカメラでも十分魅力的な機能を提供できれば問題ないからだ。一部のメーカーを除いて、デュアルカメラは2枚のレンズを使ってワイドとテレという2つの焦点距離をカバーできる、背景ボケを作れるといったぐらいしかメリットが提供できていない。

 その点では、Galaxy Note8のデュアルカメラはシンプルに2つの焦点距離のレンズを搭載したカメラで、ワイドもテレも光学式手ブレ補正を搭載する点が特徴だ。2つのレンズを使って自然な背景ボケを作って撮影する「ライブフォーカス」機能も搭載。もちろん後からボケの強度を変更することも可能である。それでは、いくつかの作例を元に解説しよう。

ややシャープネスは強めだが、細かい部分までよく解像しているGalaxy Note8(左)。Xperia XZ1(右)もよく写っており、緑や赤が強めに出て見栄えがいい

夜景の作例。Galaxy Note8(左)はシャープネスが強すぎるきらいはあるが、ISO200でもノイズは少なく、破綻は少ない。Xperia XZ1(右)はノイズ低減の影響か潰れ始めている。また、マニュアルでもシャッタースピードが1秒までしか設定できないのは残念

Galaxy Note8のワイド側とテレ側。画角としては2倍になり、より遠くの被写体を、キレイな形で収められる

 Galaxy Note8のカメラの機能のひとつ「ライブフォーカス」はテレ側のレンズで撮影するが、同時にワイド側でも撮影して両方の画像を同時に残す「デュアルキャプチャ」機能はとても便利。デュアルピクセルセンサーによる高速な位相差AFも従来通り搭載。12MPと抑え気味の解像度も変わらず、そのため暗所でのノイズにも比較的強い。

Galaxy Note8のライブフォーカスで背景ボケを強めた写

ライブフォーカスの設定画面

スーパースローや先読み撮影が強化!
シングルカメラでも楽しい写真が撮れるXperia XZ1

 Xperia XZ1は、Xperia XZsで搭載された19.2MPの裏面照射積層型CMOSセンサーExmor RS for mobileを搭載。従来比5倍という高速のデータ読み出しが可能になったことで、より高速性を生かした撮影が可能になっている。

 まずは「先読み撮影」から解説しよう。これは、カメラが被写体の動きを検知すると自動で画像の記録を開始し、シャッターボタンを押す前の4枚を保存するという機能だ。従来は、この「動き」だけをトリガーにしていたが、Xperia XZ1では「笑顔」もトリガーにしており、笑顔の瞬間を撮影したい、という場合に威力を発揮する。

先読み撮影が行なわれると、再生時に「ベストショット」マークが出て、4枚の中から選択できる

 筆者が試した限りでは、精度は完璧とはいえないがなかなか効果的。スマートフォンのレリーズタイムラグだと、決定的瞬間の撮影はそれなりに難しいが、そういった点をカバーしてくれる。

 Xperia XZsから搭載された「スーパースローモーション」は今回も搭載。通常の動画撮影時の間に秒960コマのハイスピード動画を挟んで撮影できる、という機能。通常の動画を撮影している間に1ボタンで1秒間だけハイスピード動画を撮影して、その後は再び普通の動画撮影に戻る、という点が面白い。この機能を使えば、以下のような動画が撮れる。

 通常の動画中にいきなりスローモーションになるというのは見ていてインパクトがあるし楽しい。撮影が楽しくなるし、視聴中もメリハリのある動画になっていい。ほかには、被写体の動きを予測してAFを合わせ続けるAF連写も便利な機能だ。

 インカメラは、Galaxy Note8が8MP、Xperia XZ1が13.2MP。画角はほぼ同等。どちらもエフェクトをかけたり顔の形を変えたりといったセルフィー向けの機能を搭載している。

Galaxy Note8のインカメラ(右)

Xperia XZ1のインカメラ

インカメラの画質はほどほどといった程度だが、破綻もなく、同等レベルの画質だ

 Galaxy Note8は、従来のスマホと比べても目的がはっきりとした製品だ。デュアルカメラと大画面という万人向けの機能はあるが、大画面だけであればGalaxy S8+でもよく、やはりSペンにどれだけ魅力を感じるかという点に尽きるだろう。Xperia XZ1は、特殊な機能もなくてシンプルな使いやすいモデルに仕上がっている。デザインやUIで大きな変更もなく、継続したユーザーは安心して使える点も魅力だ。

 ペンを使いたい、そして大画面でスマートフォンを本気で活用したい人(ビジネスマンやクリエーターなど)はGalaxy Note8を、3Dクリエーターや先読み撮影などの最先端の独自カメラ機能に魅力を感じる人はXperia XZ1を選択するといいだろう。

スマホに何を求めるかで端末選びは決まる。アナタはどんな使い方をする?

俺はこれを選ぶ! 筆者&スマホ総研メンバー
クロスレビュー(5点満点)

ライター 小山安博

Galaxy Note8 5
Xperia XZ1 4

Galaxy Note8 さすがの完成度。Sペンと縦長ディスプレーの使い勝手もよく、先進性もある。久しぶりのNoteシリーズとして期待も高いが、それに十分応えられる仕上がり。

Xperia XZ1 派手さがなく堅実な進化だが、ややインパクトに欠ける。カメラ機能は楽しく、それぞれ活用できれば他のスマホにはないベネフィットがある。


スマホ総研 オカモト

Galaxy Note8 4.5
Xperia XZ1 4

Galaxy Note8 Galaxy S8+を使っているので、実はもう見慣れたスタイル。Sペンももちろん便利かつスムーズでS8+を持ってなければ買っていたはず。それにしても約12万円の価格……。まあ、iPhone Xとほぼ同じ値段と言えばそれまでだけど。

Xperia XZ1 カメラ性能の高さやメタル筐体の塗装の仕上がりの良さなど、超一級品の製品であることは間違いない。写真で見るより実機はすごくいいのでXperiaファン、ソニーファンなら欲しくなること間違いなし。でもさすがに目新しさが……。


スマホ総研 ミナミダ

Galaxy Note8 5
Xperia XZ1 3

Galaxy Note8 Galaxy Note Edgeユーザー待望の後継機とあって、まさに集大成といった仕上がり。手帳代わりに使えるサイズでスマホとノートPCの中間点にある、唯一無二の存在感が魅力。

Xperia XZ1 3Dクリエーターやスーパースローモーションは目新しいが、自分が「どこで使う?」という疑問がある。スペック面はスキがなく定番だが、そろそろ見た目の新しさもほしい。


スマホ総研 ゆうこば

Galaxy Note8 3
Xperia XZ1 4

Galaxy Note8 唯一無二のペン機能は惚れ惚れするデキで、ペンこだわり派としては「待ってました!」と言いたい。ただ、大型化した上で指紋センサーが背面にあるのは実用的ではなく、重量もあり、なかなか万人にオススメとは言いづらい部分もある

Xperia XZ1 ついつい新機能の3Dクリエーターに注目しがちだけど、個人的には薄型筐体、国内最高速度に対応という点を推したい。ただ、同じSoCとメモリー、そしてカメラを搭載しているXZ Premiumもあるので、迷いどころではあります。

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