気軽にスクラップできるが
新聞をちゃんと読むキッカケにもなる
いろいろな記事を取り込んでみたが、新聞でも赤枠を使っていたり、画像が配置され、正確に認識しないこともあった。そんな時は、取り込んだ画面の「切取り」をタップし、記事の選択部分を指定すればいい。赤い丸をざっくりとドラッグすればいいだけなので、さほど手間はかからない。
赤い線はある程度太い方がよく、できるだけまっすぐに、そして途切れないように引くことが重要。その点でも、専用ペンは太い線を引けるのでオススメだ。
実際に新聞で取り込んでみたが、フルカラーの雑誌よりきれいに取り込めたうえ、文字の認識率も高いように感じた。英字新聞でも試したところ、きちんと認識し、キーワード検索も有効だった。
記事のどこに注目したのかをメモしたり、後で検索しやすいようにタグをつけておくことができる。該当部分にマーカーを引いたり、囲んだりできるのも便利。なんとなく写真を撮りためるのではなく、ピンポイントの情報にフラグを立てておくことによって、再利用性を高めておけるのは〇。後で見返すモチベーションにもなる。
マーカーや図形の色は3色から選べ、線の太さも調整できる。ただし、透明度の調整はほかの色の選択はできない。もっと蛍光色が選べるとうれしいところだ。
有料版の場合は、記事合成機能も利用できる。関連する記事を同じ画面にまとめられるので、複数の新聞を閲覧していても、スマートに管理できるのが便利。アルバムのようなアイコンをタップし、取り込んだ複数の記事を選択すればいい。画像や記事をその場で使いしたり、任意の場所に文字を載せることも可能だ。
今回は画像で見せられなかったが、新聞にイレギュラーな段組みも、赤ペンで囲みさえすればきっちり切り取ってくれる。紙媒体のクリッピング特化というアイディアはニーズにはまればとても便利。毎朝新聞を読んでいるなら、試してほしいガジェットである。どの記事を取り込み、どの記事を取り込まないかを判断する必要があるので、さらに真剣に新聞を読み込むことになりそうだ。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。