ピーク性能の意味
MacBook Proについて問題をすばやく解決していることは、ユーザーから見ればMacに対してきちんと労力をかけているアップルの姿勢を確認する意味合いになり、好感が持てます。
というのも、アップルは2016年前半ごろ、「Mac軽視」の批判を浴びるほどiPhoneに対して力を入れていた様子がうかがえたからです。たしかにiPhoneはアップルの売上の7割を占める主力製品であり、こちらをおろそかにするのは自殺行為といえます。
一方、Macを愛してやまない人たちからすれば、たった10年程度の新しくて小さな製品に心を奪われたと思うと、たしかに面白くありませんよね。これまでのMacには、そうした悪い雰囲気がにじみ出ていたと思います。
しかし今回のMacBook Proは、性能面での追究から評価が生まれたのではないでしょうか。
MacBook Proには第8世代Intel Coreプロセッサ(Coffee Lake)が採用されました。13インチモデルではこれまでのデュアルコアからクアッドコアへ、15インチモデルではクアッドコアから6コアへと増加し、それぞれ2倍、70%増のパフォーマンスを発揮するようになりました。
それでいて、米国での価格は据え置かれ、「MacBook史上最高の飛躍」とまで言われています。特に13インチモデルは、昨年のMacBook Pro 15インチモデルの性能と同等か上回るようになり、「やっとProらしく」なったという印象。
また、メモリやストレージにも「Proらしさ」がにじみます。15インチモデルでは最大32GBのメモリを積むことができ、4TBのSSDストレージを内蔵できるようになりました。しかも、読み書きの速度は2800MB/secを記録し、業界の一般的な内蔵SSDの10倍近い速度。
4TBのSSDのオプション価格は35万円以上で、30万円程度の本体価格を上回っていますが、そうしたやりすぎとも言えるような仕様は、存在し、お金を出せば手に入ること自体に意味があります。
「Proらしい」道具としての側面を見せるMacBook Proが評価される理由は、やはり頂点を極めるスペックを追究したことだったのではないでしょうか。