「iPhoneの会社」JDIがBtoCに参入するワケ (3/3)

文●盛田 諒(Ryo Morita)

2018年08月01日 19時00分

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●3ヵ月でコンセプト作れた速度に注目

 同社の技術を使えば同ジャンルの競合製品を駆逐できるほど価格や品質にインパクトがあると思わせられるだろうか。たとえば伊藤CMOはミラーを指して「9〜10年前のテクノロジーが使える。なんで出してこなかったと思う」と自社への不満をぶつけていた。「(アイデアが)既存ドメインからは出てこない。『お客さんからこれを作れと言われたわけじゃないから』という社内のカルチャーを変えたかった」ともぼやいた。BtoCには技術力だけではなく、顕在化していない需要を読む力、価格や販路を設計する力など、総合的な力が必要だ。サブスクリプションモデルを考えるなら、ウェブを通じたビジネスノウハウも不可欠だ。マスプロモデルでは参入しづらいニッチ市場に踏みこみ反応を見るのはいいが、「お客さんからこれを作れと言われたわけじゃない」というのはそれなりの理由もあるように思う。

 とはいえ、動きそのものはおもしろい。コンセプトモデルはわずか3ヵ月で作られたらしく、スピード感はとても刺激的だ。課題は多そうだが、いずれにしても「新生ジャパンディスプレイ」の象徴的な動きとして注目を集めるだろう。



書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。赤ちゃんの父をやっています。育児コラム「男子育休に入る」連載。Facebookでおたより募集中

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