ユーザーは損して、キャリアが得する構図
総務省としては、キャッシュバックなどに使っていた原資を通信料金の値下げに回させることで、国民における通信料金の負担を軽減させようというねらいで、キャッシュバック叩きをしていたとされる。
たしかに、「通信料金を値下げさせる」という効果は実際に出ているようだ。
たとえばKDDIは昨夏に、使った分だけ支払う「auピタットプラン」提供を開始している。直近の決算によれば、モバイル通信料収入が前年同期比112億円のマイナスとなった。つまり通信料収入が下がったということは、それだけユーザーの支払う金額が下がったということだろう。
しかしKDDIでは新料金プランの影響は一時的で、ユーザーのデータ利用量も増える傾向にあり、定額制であるauフラットプランの契約割合も増加していることから、将来的には収益は回復できると見ている。
auピタットプラン、auフラットプランは、端末の割引を受けない代わりに通信料金が安くなる、端末代金と通信料金を分離するプランとなっている。
まさに総務省が理想とするところなのだが、「将来的に、ユーザーが支払う通信料金が上がる」ということは、ユーザーは端末の割引を受けない一方、高い通信料金を払うことになる。結局のところ、ユーザーは損し、キャリアが得をする構図になるようだ。