#4 スマートフォンをより代替する現代の時計らしさ
拡大された文字盤に合わせ、9個のコンプリケーションをグラフィカルに配置できる新しいInfographフェイスも収録されました。たとえば天気だけでも、紫外線、空気の質、風向風力、気象条件、気温などのコンプリケーションを利用でき、気温や紫外線、空気の質などは色つきのグラフで表現することもできます。
数や表現力が増したコンプリケーションは、スマートフォンに頼らず手首を返すだけで情報を確認することができるようになります。スマートフォンのスクリーンタイム削減が叫ばれる昨今、スマートウォッチだけで済ませる利用は、より良いテクノロジー活用につながるでしょう。
そもそも腕時計も、手首だけで知りたい情報を知るためのツールだったことを思い出しました。これに通話機能やアプリなどが加わることで、時計を着ける理由をスマートフォン時代に再構築しているような、そんな印象を受けるのです。
際限なく画面サイズが拡大していくのはいただけませんが、Apple Watch Series 4は、着け心地と情報の実用性の面で、ちょうど良いサイズを見出しました。昨今撤退も相次ぐWatchアプリですが、情報リッチなコンプリケーション、SiriとSiri Shortcutsの活用などから、再び活況となることを期待しています。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
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