料金プランと紐つき解約しづらい
通常キャリアショップの店頭でオプションを販売すると、数ヵ月後に解約されるケースが圧倒的に多い。機種変更時、「すぐに解約してもいいからオプションを契約してほしい。そうすれば端末代金を1000円割り引きます」といった勧誘を受けることがある。いわゆる「レ点商法」というもので、オプションの欄にチェック、レ点をつけることから名づけられた慣習だ。
ショップとしては、解約することを忘れてもらったほうがありがたい。ユーザーも忘れてしまうことが多いのだが、もちろんきっちりと解約する人もいる。本来ならお試しで使ってもらい、気に入ったら継続してもらうのが狙いだ。しかし、もともと自分で使いたいと思っていたわけでもないオプションに契約させられたのだから、解約するのが当然だろう。
しかしNetflixプランの場合は料金プランと紐ついているので、ユーザーがNetflixを解約しづらいという心理がはたらく。
たとえば通話定額ではないシンプルプランの場合、20GBのフラットプランは3480円となるが、25GBでNetflixとビデオパスがついたNetflixプランだと、500円高くなり3980円となる。
Netflixプランから500円を節約しようとすると月々5GBの容量が減り、さらにNetflixとビデオパスが別料金になってしまうというわけだ。ユーザーとしては一度契約するとNetflixプランがかなり得であることに気がつき、やめる方向に行きづらくなるというわけだ。
Netflixなど、ネットでコンテンツを売る企業がキャリアと組みたがるのはこうした利点があるからだ。今回は特にショップというリアルの顧客接点で料金とバンドルしたユーザーにも企業側にもメリットのある施策を、iPhone商戦でショップに人が駆け込むタイミングに展開できたというのが功を奏したようだ。