●「ユーザー体験」が最大の乗り換え理由
使い勝手や購入済みアプリなど、ハードルがいくつもある中で、プラットフォームを乗り換えた人の動機はどこにあるのでしょうか。
まずiPhoneからAndroidに乗り換えた理由は、より良いユーザー体験が30%、価格の安さが29%、カメラ・デザインなどの機能の良さが24%でした。
一方、AndroidからiPhoneに乗り換えた理由を見ると、より良いユーザー体験が47%、より良い機能が25%、価格が11%となっていました。
前述の通り、ユーザー体験は慣れによって構成される部分が大きい中、AndoridもiPhoneもユーザー体験が乗り換えの最大の理由になっている点は興味深いポイントです。アップルもグーグルも、ユーザー体験の良さがスイッチする人を増やす突破口になるのかもしれません。
それぞれの強みを考えれば、Androidはカスタマイズする自由度が高く、Googleアシスタントを生かしたより賢いパートナーとなり得る点を強調すべきでしょう。
一方アップルは、体験の一貫性、そしてプライバシー・セキュリティーなどに強みがあります。前述の人工知能については、グーグルとは異なる端末内でのSiriの活躍を拡げようとしています。人工知能については、単純な賢さで比較できない価値を帯びるかもしれません。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
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