■独自の配信ネットワークやテスト環境も自前で整備
Netflix本社のさまざまな施設も報道関係者向けに公開されました。共通しているのはインフラや開発環境をとにかく自前で持っているという点です。
インフラ面では、テレビの地上波放送と違い、インターネット回線で動画データを転送する必要があります。そこでNetflixは独自の配信ネットワーク(CDN)である「Open Connect」を構築。全世界に動画のコピーを置き、ユーザーのプロバイダー(ISP)と直結してトラフィックを最小化しているとのことでした。
また、動画自体のサイズもどんどん小さくなっています。エンコード技術はタイトルごと、さらに作品内でも動きのあるシーンとないシーンで最適化しており、次世代コーデック「AV1」(AOMedia Video 1)との組み合わせによって、200kbps程度の低速な通信速度でも一定品質のHD動画を再生できるとのこと。
これくらいまで小さくなれば、国内のMVNOが安価に提供する使い放題プランでも動画を楽しめるようになり、スマホでの視聴がさらに容易になりそうです。
モバイル端末のテストラボも公開してくれました。冷却ファンを備えたラックにスマートフォンやタブレットを満載し、自動テストを実行。発生したエラーはオフィスのモニターに表示され、すぐに確認できる体制になっていました。
ほかにもマジックミラーを備えたユーザー調査用の部屋もあり、機能の改善に役立てているとのこと。広大なキャンパスに多数の開発施設を自前で持ち、サービスの改善に日夜取り組むという、グローバルIT企業の強みを垣間見ることができました。