●カードケータイなどは「継続的にやりたい」
総務省は完全分離プランを導入することで、スマホはメーカーにまかせ、キャリアは通信サービスに徹して、とにかく安い料金プランを作れと言っているようにも思える。総務省は、中古スマホ市場を盛り上げることで、国民の端末に対する負担を下げようとしている感もある。
しかしNTTドコモの場合、自社のショップ網があり、通信サービスと組み合わせた端末開発ができるという強みがあるのも事実だ。
たとえば、昨年発売された「カードケータイ」なども、メーカー独自で企画・製造するのは難しく、NTTドコモというキャリアだからこそ製品化できたプロダクトと言える面もある。
カードケータイのような「変態端末」も、完全分離プランの導入で姿を消してしまうのか。
「約束できるか微妙だが、我々プロダクト部は、新しい市場を開拓する製品を企画して作って出していくのが役目と言える。カード端末は市場からの大きな反響を受けて、一定のセグメントには刺さった製品だった。ああいった製品を継続的にやっていきたいし、(後継機種は、売る・売らないも含めて)検討している」(安部氏)
これまでの料金プランがあったからこそ、キャリアが独自に個性的な端末を企画したり、新世代の端末を早期に普及させることができたなどのメリットがあった。5G時代を目前にして、完全分離プランの導入によって、状況は大きく一変する可能性が出てきた。
NTTドコモでもそのあたりの影響を読み切れていないようで、今後の端末ラインナップに頭を痛めているようだ。