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iPhoneを2倍速充電! スマホを最速で充電する方法

文●島徹 編集●ASCII編集部

2019年04月28日 12時00分

iPhoneを「USB PD」や「最大2.4A」で急速充電する

 まずは、iPhone向け充電環境の構築からチェックしていこう。

 iPhoneで充電が最速なのは、USB PD対応充電器やケーブルを利用する方法だ。ただし、実際に利用するにはいくつか条件がある。

USB PDだと18W(9V/2Aなど)で対応iPhoneを急速充電できる

 USB PDで充電できるiPhoneは、一昨年前に発売された「iPhone X」や「iPhone 8」シリーズ以降のモデルとなる。

【USB PD充電に対応したiPhone】
・iPhone XS MAX、iPhone XS、iPhone XR
・iPhone X
・iPhone 8、iPhone 8 Plus
(2019年4月現在)

 次にUSB PDでの充電環境だ。充電器はUSB PD対応かつスマホ向け最大18Wのものなら、実売価格2000円前後から手に入る。

 USB PD対応の充電器にはPC向けの45Wや60W対応のものもあるが、iPhone用として常用するには大きく重たいうえに充電速度は変わらない。iPhoneだけで利用するなら、あえて選ぶ必要はないだろう。

 Ankerの「Anker PowerPort PD 2」のように、USB PDで18W出力対応のUSB Type-Cと、通常のUSB端子の2ポートを搭載した充電器なら、そこそこ小さくiPhoneと周辺機器を同時に充電できるので便利だ。

「Anker PowerPort PD 2」

 次に必要なのが、iPhoneをUSB Type-Cに接続するアップルの「USB-C-Lightningケーブル」(税込1944円)だ。やや高価だが、現在iPhoneをUSB PDで充電するにはこのケーブルが必要となる。

アップルの「USB-C-Lightningケーブル」。USB PDでの充電だけでなく、USB Type-CのMacBookとiPhoneを有線で接続する場合にも必要だ

 3月からはアップルの認証を受けた「Made for iPhone(MFi)」ロゴが付いた同等の仕様のケーブルも、Ankerや多摩電子、エレコムから発売されている。アップル製より若干安価なケーブルもあるので、コストを抑えたいユーザーはチェックしておこう。

iPhone 7や6s、SEは2.4A出力の充電器を使う

 現在発売中のiPhone(iPhone 6以降)なら、パッケージに「機器に応じて最適な方法で充電」などと記載されている12W(5V/2.4A)充電器なら、USB PDほどではないが高速に充電できる。

 「iPhone 7」「iPhone 6s」「iPhone SE」ユーザーは、パッケージに上記のような記載がある最大2.4A出力の充電器を買うのがベスト。また、iPhone XSなど最新モデルを購入したが、USB PDでの充電はコスト的にハードルが高いと感じるなら、最大2.4A出力のものを選ぶのもひとつの手だ。

USB端子1ポートあたり最大2.4A出力の充電器。さまざまな製品が量販店で販売されている

 最大2.4A出力の充電器の多くはUSB端子が2つあり、iPhoneと周辺機器を同時に充電できる。アップル純正の最大2.4A出力の充電器としては、一部のiPadに付属する「12W USB電源アダプタ」が該当する。だが、こちらはUSB端子がひとつなので市販の充電器のほうが便利だろう。

 最大2.4A出力の充電器は、量販店やコンビニなどで1000円台からの価格で販売されている。USB PDと比べて安価で気軽に購入できるので、現在iPhone付属の5W充電器を使っているが安価に充電速度を改善したい人は、この最大2.4A出力の充電器の購入をおすすめする。

2.4A出力の充電器だと10W(5V/2A)近い電力で充電できる

iPhone付属の充電器だと5W(5V/1A)での充電に制限される

 実際の充電でも、iPhone付属の5Wの充電器と比べて多くの電力を供給できている。

最新ハイエンドAndroidスマホは「USB PD」対応が主流

 次に、Androidスマホの充電環境をチェックしていこう。最新ハイエンドのAndroidスマホは、USB Type-Cの普及とともにUSB PDの最大18Wでの急速充電を利用できる端末が標準となりつつある。

 USB PD対応スマホは、ここ1~2年以内に発売されたものだ。現在は標準規格のUSB PDが普及しつつある過渡期なので、スマホによっては従来の急速充電規格であるQuick Charge 3.0と両対応のものもある。だが、USB PDのみ対応というスマホが徐々に増えてきているのが現状だ。

【USB PD充電対応の主なAndroidスマホ】
・ソニーモバイル:Xperia(XZ3、XZ2シリーズ、XZ1シリーズ)
・シャープ:AQUOS(R2、R2 compact、zero、sense plus)
・サムスン:Galaxy(S9以降、Note 8以降)
・HUAWEI:ハイエンドのP9以降、Mate 10以降
・Google:Pixel 3、Pixel 3 XL
など

 充電速度をシャープの「AQUOS R2 compact」で比較したが、USB PDは2.4A出力の充電器より高速だった。

 USB PD対応充電器は、スマホ向け18W出力対応の製品なら実売価格2000円前後から購入できる。USB Type-C~USB Type-Cケーブルが手元にない場合は別途購入しよう。また、ドコモの「ACアダプタ 07」や、auの「TypeC共通ACアダプタ02」など、キャリアからもUSB PD対応のものが販売されている。市販の製品よりややサイズは大きいが、スマホの買い換えと同時に購入できるのは便利だ。

少し前のハイエンドスマホは「Quick Charge 3.0」対応

 Quick Charge 3.0は、これまで多くのハイエンドAndroidスマホで採用されてきた急速充電規格だ。現在の最新スマホはUSB PD充電に移行しつつあるが、ここ3~4年で発売されたハイエンドAndroidスマホは、Quick Charge 3.0対応のものが多い。これらのスマホを急速充電したい場合は、Quick Charge 3.0対応充電器を購入しよう。実売価格で1000円台と低価格な充電器もある。

Quick Charge対応充電器は各社からさまざまな製品が登場している。

格安スマホは「最大2.4A出力」のUSB充電器を使う

 「最大2.4A出力」対応の充電器は家電量販店やコンビニで手に入りやすく、こちらも実売価格は1000円台からと低コスト。iPhoneやAndroidを問わず、そこそこ速く充電したいという場合にもオススメだ。

 「格安スマホ」と呼ばれるミドルレンジからエントリークラスの低価格スマホは、USB PDやQuick Charge 3.0などを利用した急速充電に非対応のものが多い。これらのスマホを充電する場合は、「最大2.4A出力」のUSB充電器を購入しよう。

 次に、現在おすすめのスマホ向け充電機をチェックしていこう。

2.4A出力を2ポート搭載&海外でも使える
cheero Miracle Charger

・メーカー:cheero
・直販価格:1980円(税込)

cheero「Miracle Charger」

 「cheero Miracle Charger」は2.4A出力対応、かつ2ポート合計3.4Aの高出力に対応。また、海外のコンセント用のアダプターも3種類付属する。さらに直販価格は1980円と、コストパフォーマンスの高いUSB充電器だ。

 コンセントプラグは本体に収納でき、サイズは43×35×46mmで重量は71g。iPhone付属の5W充電器と比べると若干大きく重いが、自宅や旅行先でさまざまなUSB機器を充電するユーザーにとっては便利な製品だ。

「cheero Miracle Charger」の主なスペック
メーカー cheero
入力 AC 100-240V 50/60Hz 0.5A
出力 DC 5V 3.4A(合計)
/2.4A(1ポート最大)
容量 17W(最大)
サイズ 約43×35×46mm
重量 約71g

旅行で便利な小型USB PD充電器
Anker PowerPort PD 2

・メーカー:Anker
・直販価格:2699円(税込)

「Anker PowerPort PD 2」

 「Anker PowerPort PD 2」は、USB PD(18W)出力のUSB Type-Cと、2.4A出力対応のUSB端子を2つ備える。自宅はもちろん、旅行や外出先などでスマホを急速充電したいときに便利なアイテムだ。USB PD対応としては手ごろな価格で、本体サイズも63×62×29 mm、重量100gとコンパクトに収まっている。

 派生モデルとして、ひと回り大きいがUSB PD(30W)とQuick Charge 3.0に対応した上位モデル「Anker PowerPort ll PD - 1 PD and 1 PowerIQ 2.0」(直販価格税込3799円)もある。Quick Charge 3.0対応スマホや、USB PD対応の「iPad Pro」をより高速に充電したいユーザーはこちらを選ぶのもいいだろう。

「Anker PowerPort PD 2」の主なスペック
メーカー Anker
入力 AC 100-240V 20~60Hz 1.5A
出力 USB C:5V 3A/9V-2A
USB出力:5V/2.4A(最大)
サイズ 約63×62×29mm
重量 約100g

リビングに一台欲しいマルチポート充電器
Anker PowerPort I PD - 1 PD & 4 PowerIQ

・メーカー:Anker
・直販価格:3499円(ブラック、税込)

「Anker PowerPort I PD - 1 PD & 4 PowerIQ」

 「Anker PowerPort I PD - 1 PD & 4 PowerIQ」は、USB PD(30W)出力のUSB Type-Cと、2.4A出力のUSBを4つ搭載した据え置き型充電器。USB PD対応スマホを含む、USB機器をまとめて充電できる。リビングやPCでの作業をする机などに置いておくと便利だ。

 本体サイズは103×78×28mmで重量は213g。基本的に据え置きで使う製品なので、サイズや重量感は特に気にならないだろう。

「Anker PowerPort I PD - 1 PD & 4 PowerIQ」の主なスペック
メーカー Anker
入力 AC 100-240V
出力 USB PD:5V/3A、9V/3A、
15V/2A、20V/1.5A
PowerIQ:5V/6A(各ポート最大2.4A)
サイズ 約103×78×28mm
重量 約213g

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