松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップル新AirPods 大きな違いは「スピード」 (2/4)

文●松村太郎 @taromatsumura

2019年04月09日 16時00分

●音が大きくなった=音が良くなった

 新型AirPodsは、デザインも仕組みもまったく同じ。iPhone付属のEarPodsからケーブルを取り去ったデザイン、すなわち左右独立したイヤーピースの両方に、バッテリ、複数のマイク、そして心臓部となるアップルデザインのチップを搭載している点も変更ありません。

 ただしチップはこれまでのW1からH1へと変更されています。アップルは頭文字の意味を明言しませんが、これまでのワイヤレスチップから、よりヘッドフォンに特化して進化を遂げる道筋がつけられたと解釈しています。

 H1チップの新機能はBluetooth 5に対応した点。BLEモード(超電力モード)での伝送速度が倍の2Mbpsに向上しました。理論的には、同じ消費電力の小ささで、より太い帯域でデータが遅れるようになり、そのまま音声データの送出に使えば、より高音質の再生も可能になってくるという意味です。ただ、AirPodsのコーデックなどに変更はないようです。

 しかし第2世代のAirPodsを聞き比べてみると、低音の響きや高音の伸びが良くなり、音の粒がより際だって聞こえるようになりました。初代との違いは音の大きさで、15%大きな音が出せるようになったそうです。その結果、音がよく聞こえるようになったのではないかと思います。

 アップルから、AirPodsの内部構造やデータ処理に関する情報は特に公開されていません。

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