スマートフォン市場全体にも影響が出るか

　アップルとクアルコムが再び組むことは、スマートフォン市場のシェア争いに多少なりとも影響しそうだ。Android陣営は両社が決別していた間、クアルコムのチップ、つまり5Gを差別化の材料にできた。その部分がなくなってしまうことになるからだ。

　クアルコムのチップを搭載したiPhoneが市場に登場するのは2020年と見られている。5Gスマートフォンの第一陣には入れないかもしれないが、主要国における5Gのロールアウトには間に合いそうだ。

　なお、クアルコムの特許ライセンスについてはアップルとの和解だけでは終わらない。米公正取引委員会（FTC）との訴訟が残っている。また、アップル社内では自社チップ開発の取り組みも進んでいるようだ。

筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている