松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップルApp Storeビジネスに暗雲か (2/5)

文●松村太郎 @taromatsumura

2019年05月21日 09時00分

●App Storeのビジネスの現状

 アップルのApp Storeは、iPhone向けのアプリ配信プラットホームとして2008年のiPhone 3Gとともに登場し、無料、有料、有料購読、アプリ内課金など、様々なアプリのビジネスモデルを実現しています。iPhoneの他にも、iPad(iPhoneと共通化)、Mac、Apple TVで利用できます。

 アップルはデバイスやOS、開発者キットを用意し、開発者に対して示唆を与え、開発者はこれを自分たちのアイデアやビジネスと合わせてアプリ化しビジネスを展開します。新しい活用方法が生み出されており、アップルとしても、自社デバイスでありながら、未来像を開発者と一緒に作っているような場になっています。

 App Storeだけの売上高は公開されていませんが、App Storeを原動力とするサービス部門の売上高は2019年第2四半期(1〜3月)は114億5000万ドル。前年同期比16%成長を維持しています。

 アクティブインストールベースは14億台で、これらのデバイス向けにアプリが無料・有料でダウンロードされていきます。アップルは2016年にサービス部門の売上高を2020年までに倍にする目標を掲げており、順調にその目標に向けて成長しています。

 アップルがサービス部門で新たに設定した指標にサブスクリプションユーザーがあります。これにはアップルが提供するiCloudやApple Music、そして開発者が提供するアプリの定期購読が含まれ、現在は3億9000万件に増加しています。昨年に比べて1億2000万件、前四半期に比べて3000万件増加しています。こちらも2020年までに5億件のサブスクリプションを獲得するという目標が新たに示されました。

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