松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップルは古いiPhoneをいつまでサポートするのか (2/4)

文●松村太郎 @taromatsumura

2019年05月28日 16時00分

●エンタープライズ戦略の強みとなるiPadとMacアプリの融合

 個人的には様々な注目のポイントがあります。特に期待しているのはiPadとMacのアプリ統合です。「統合」というと若干正確ではありませんが、開発リソースの大半を共通化できます。

 特に、普段iPadとMacを使っている筆者にとっては、iPadアプリがMacに流れ込んできてくれることはとても期待しています。

 たとえばFacebook Messenger。いままでウェブブラウザでアクセスしなければならず、Google Hangout ChatやSlackと比べて不便でした。やはりアプリがあった方が、通知や、断続的なコミュニケーション、ブラウザを見ながらのやりとりを考えると便利です。

 同じく、やはりiPadではアプリなのに、Macではブラウザベースとなっている、簡単クリエイティブ作成アプリAdobe Spark。アプリで活用できれば便利なのに……と常々思っていました。

 開発リソース共有化の施策は、Macアプリ、Mac App Store活性化のためとみています。しかし、iPadがエンタープライズ向けの進出を強める中、Macでも同じアプリが利用できる環境を、開発者の負担少なく拡げられれば、アップルはエンタープライズ向けにMacとiPadの2つのオプションを提案することになります。

 これはマイクロソフトやグーグルが実現できていない強みになるほか、エンタープライズアプリの活性化も後押しすることになります。そもそも社内向けのアプリを作るにはMacが必要なのに、そのMacで社内アプリが使えないというのは不思議な話ですから……。

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