松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップルはサブスク時代「Apple TV」をどう売るか (3/4)

文●松村太郎 @taromatsumura

2019年06月12日 09時00分

●tvOS 13に潜ませた戦略

 そんなtvOS 13にも、いくつかの戦略を見出すことができます。

 まず1つは、マルチプロファイル機能です。この機能は、Apple TVを使う人ごとに、ホーム画面やTVアプリのプロファイルを切り替えられる仕組みです。こうした実装のために、新しいホーム画面にはコントロールセンターを追加し、プロファイルの切り替えをする仕組みが実装されました。

 1台のApple TVでも、ドキュメンタリーを集めているお父さんのプロファイル、海外ドラマをチェックしまくるお母さんのプロファイル、アニメを楽しむ娘さんのプロファイルで、出てくる「次はこちら」のリストなどを切り替えることができるようにしました。Apple TVアプリが便利だと思えば、Apple TV上で実現するプロファイル機能は、デバイスとしてのApple TVを使うメリットになります。

 プロファイルが入ったことで、Apple MusicやApple TV+、Apple Arcadeなど、家族で契約を共有して楽しむサービスであっても、家族ごとにその中身を分けられるようになります。プレイリストや写真、ゲームの進捗などが切り替わることで、共有デバイスとしてのテレビとApple TVを一時的に自分のマシンに切り替えることができるようになる仕組みです。

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