Windows情報局ななふぉ出張所

日本とキャッシュレス先進国の違い (3/3)

文●山口健太

2019年06月27日 16時00分

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■1円にこだわるのをやめよう

 現金にも面白い仕組みがあります。オランダの通貨はユーロですが、5セント未満の端数を丸めるラウンディングを導入しています。

 具体的には、1セントと2セントの硬貨はオランダでは利用できず、最低単位は5セントになります。オランダのお店のレジで1セントや2セント硬貨を出そうとすると、たいていは受け取りを拒否されるようです。

 おつりの扱いも同様です。たとえば22.24ユーロの買い物に25ユーロを出した場合、単純計算では2.96ユーロのお釣りが発生しますが、もっとも近い5セント単位に丸められ、実際のおつりは2.95ユーロになります。

おつりは最も近い5セント単位に丸められる

 日本的な感覚では、小数点以下の端数を丸めることに違和感はないものの、「1円を笑う者は1円に泣く」と言われるように1円以上のお金を捨てるのは抵抗をおぼえる人も多いでしょう。

 欧州では「1セントや2セントの取り扱いはコスト的に割に合わない」と判断する国が出てきており、オランダでは2004年から導入しています。キャッシュレスの導入により現金を扱う手間を減らすのと同時に、現金自体を扱いやすくする興味深い試みといえます。

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