差し替えが自由ではないという欠点に加え、
新しいサービスだけにまだまだ制限もある
なお、契約した端末のままで使っているぶんにはまったく問題がないが、物理的なSIMの抜き差しのように自由に利用する端末を変更できないのがeSIMの弱点となる。IIJmioの場合、eSIMのプロファイルを削除してしまった場合、アクティベーションコード再発行に2000円の手数料がかかる。そのため契約したeSIMを他の機種に気軽に移し替えることができない。
たとえば、iPhoneを買い換えて、新しい端末でeSIMを使いたい場合、一度削除してあらためて登録するのに2000円かかる。SIMを差し替えて、いろいろなスマートフォンなどに組み込んで使ってみたいというニーズには向いていない。
またeSIM側はそのままで、通常のSIMを差し替えることはもちろん可能だが、試した限りでは構成プロファイルでAPN設定する必要がある格安SIMの場合は、通常のSIM側のデータ通信ができないか不安定になることが多く、頻繁に交換すると問題が起こりそうだ。通常SIMとeSIMでネットワークを別して冗長性を確保する意味も薄れてくる。
IIJmioの公式ブログ「てくろぐ」には(http://techlog.iij.ad.jp/archives/2607)、より詳しい情報が掲載されているので契約前に一読しておいたほうがいいだろう。また、トラブルの回復でリセットが必要となり、eSIMの登録しなおしが必要になれば、再発行手数料2000円がかかってしまうので注意したい。
それでもeSIMを試したいなら7月中に契約がオトク
「ベータ版」が付いた新しいジャンルのサービスであるために、制限はまだあるものの、eSIMを使うと便利になりそうなパターンを考えたい。まず、最新世代のiPhone XS/XRを持っていることが大前提で、キャリア販売モデルならSIMロック解除も済ませておく必要がある。
トラブルを自力解決できる人限定だったり、多少の不具合の発生を理解できれば、安価に“ギガ”増やしに活用できるほか、何より新しいモノ好きなら挑戦しておいて損はない。IIJmioの「eSIMプラン (ベータ版)」を7月中に申込みすれば、デビュー応援キャンペーンで加入料が1円、7月分の日割りと8月分を足して最低2000円以下から試すことができる今がチャンスだ。
一方で特に普段からMVNOやサブブランドの格安SIMを使っている人は、無理にeSIMにせず単純にプラン変更で容量を上げたほうがよい場合も多いので、費用やデメリットをよく確認したうえで契約したい。