■ファーウェイにとっては痛手に、SIMフリーはあるか?
一方でファーウェイにとっても日本でフラグシップモデルを発売できないことは、大きな痛手になります。
ファーウェイのスマホで最も台数が出ているのは中〜低価格帯の製品とみられ、特に「HUAWEI P30 lite」のようなHUAWEI P liteシリーズは、新モデルを出せばベストセラーになるのはほぼ確実でした。
今回、KDDIやソフトバンク(Y!mobile)など複数のキャリアが発売に踏み切ったことで、夏のボーナス商戦はやや逃したものの、日本市場での存在感を取り戻すことが期待できます。
しかしこうした人気を支えているのは、ブランドイメージを牽引するフラグシップモデルです。
たとえばHUAWEI P30 Proは「月が撮れる」望遠カメラをアピールしています。こうした新機能や新技術を徐々に安価なモデルにも展開することで、製品ラインアップ全体の魅力を引き上げてきたわけです。
ただ、日本でHUAWEI P30 Proを販売するのはドコモだけです。
ファーウェイ・ジャパンによれば、現時点で他のキャリアやSIMフリーでHUAWEI P30 Proを発売する予定はないとのことから、ドコモが発売を見送ると、日本でHUAWEI P30 Proは出ないことになります。
すでにOPPOは、ハイブリッド10倍ズームを搭載した「Reno 10x Zoom」を国内で販売しています。このままHUAWEI P30 Proが出なければ、スマホで望遠撮影に興味を持った人はOPPOを手に取ることになるでしょう。
日本版のHUAWEI P30 Proは、カメラ以外にも画面の指紋認証、ワイヤレス充電、おサイフケータイ、IPX8/IP6Xの防水防塵など「全部入り」のスマホとしても機能が充実しています。さらにドコモによる戦略的な値付けで割安に買えるはずだっただけに、なんとか発売を期待したいところです。