最近の中国では、スマートフォンからドローン、PCの周辺機器までさまざまなとんがった製品が増えてきている。その中でおそらく日本ではまだ誰もレビューしてないだろう変わり種のマウスを紹介したい。購入したのは科大訊飛(iFLYTEK)という企業がリリースする「MiMouseS」という製品だ。悲しいかな、今は中国の電脳街に行っても攻めた店舗は希少で、面白いものを見つけるのは困難なので、ECサイト「京東(JD。ジンドンと発音する)」で購入した。値段は399元(約6000円)。
翻訳機や翻訳エンジンの技術は中国でも注目が集まる
その中でも実績がある企業がマウスを発売
「MiMouseS」の紹介の前にiFLYTEK社を紹介したい。iFLYTEKは中国の音声系AIでは非常に有名な企業だ。中国の音声系AIに非常に強いということは、音声の聞き取り精度が高いというわけだ。こうしたことから、スマートスピーカーの音声エンジンとして他社製品にも採用されているほか、自社でもポケトークのようなポータブル翻訳機やスマホ向け音声入力アプリをリリースしている。
特に翻訳機については、中国でさまざまな翻訳機が出ていて、かつ日本円で3万円程度からと、中国のIT製品の中では比較的高価なジャンルにも関わらず、最大のシェアをとっている。また、その音声AIの品質から、コンシューマー向け以外では、学校のeラーニングで導入されるなど、多様なジャンルで同社のエンジンは導入されている。つまりiFLYTEKは、少なくとも確認しているだけで数年は目立った搭載製品を出し続けている、ちゃんと実績のあるスゴイ会社なのだ。
そんなiFLYTEKの6000円のマウス「MiMouseS」は、とんがってないわけがなく、同社らしく音声AIエンジンを内蔵したものとなっている。期待どおりにマウスの機能もありながら、ナイスな精度の音声入力もできるわけだ。マウスは通常の左右2ボタン+ホイールに加え、左右両端に、音声入力ボタンと翻訳ボタンが配備されている。両端のボタンが少々位置がわかりづらく、ブラインド操作が筆者はできなかった。
肝心要のマウスとしての機能についてさらに書くと、平べったいひょうたんのような形状で、手で覆うのではなく、つまむようにもって操作する。電源に電池ではなく、microUSBからの充電なのは他の中国製品でもよく見る中国製品しぐさだ。
既存のマウス製品と比べると、後述する付加機能はすごいけれど、アナログなヒューマンインターフェースとしては今ひとつ感はある。中国製品は、ベンチマークや機能だけがフォーカスされがちだが、アナログ的なところはまだまだと感じた。