●デザイン上の差別化はあるのか
iPhone 5sとiPhone SEは外見は全く同じサイズで登場しましたが、アルミニウムフレームのエッジの部分の加工に違いがありました。iPhone 5sでは鏡面磨きでアクセントとなっていましたが、iPhone SEではマットのままの加工とされたのです。
もちろんその工程を省いて低価格化を一段深めたと考えることができますが、今後iPhone 8をベースにしたiPhone SEの後継モデルで、なんらかの差別化は行われるのでしょうか。
あとはカラーリングです。現在のiPhone 8にはシルバー、スペースグレー、ゴールドが揃っており、現在はラインアップにないが(PRODUCT)RED Special Editionも存在していました。価格をおさえたモデルではカラーを減らすのが通例ですが、iPhone 8のカラーリングをそのまま3色残す、あるいはiPhone XRやiPhone 11のように逆に色数を増やして楽しめるよう演出することも手かもしれません。
2017年発売のiPhone 8は、新興国だけでなく日本でも現在、最も販売数が多いiPhoneとなっています。アップルが推し進めるサービス部門への収益構造転換、あるいはiPhoneユーザーに対するウェアラブルデバイスの販売促進戦略の重要な位置を占めています。
iPhone SEの後継モデルという見方もできますが、むしろ現在最も売れているiPhone 8の後継モデルという位置づけだってできるのではないでしょうか。Appleは「9」を飛ばしましたが、もしA13 Bionicを搭載するiPhone 8のボディのスマートフォンが出るなら「iPhone 9」と名乗らせても違和感がない、と思うのは筆者だけではないはずです。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
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