■台風15号でキャリアはどう対応した? 19号に向けての準備は?
2019年9月に千葉県を襲った台風15号では大規模な停電が起こり、基地局に電力が供給されず、スマホが使えなくなる障害が起きた。もともと、基地局にはバッテリーなどが装備されているが、バッテリー寿命が尽きるまでに停電が回復しないと基地局が使えなくなってしまったのだ。
NTTドコモの吉澤和弘社長は、台風15号を振り返り「2600基地局のうち1200基地局が中断した。商用電源が落ちてしまい、バッテリーを消耗し、12時間後にはダウンしてしまった。それに対して、すべてが対応しきれなかったが、発電機などを数十台、重要基地局には移動無線車を20台、投入した。これらは東北や東海からかき集めて復旧させた」と語る。
KDDIでも、台風15号の被害に対して、4000名規模の復旧要員を投入したという。
では、12日上陸すると見られる台風19号への対策はどうか。
吉澤和弘社長は「すでに東海、関東、関西のエリアでは緊急の体制を整え、災害連絡室を各支店にスタンバイしている。自治体には衛星携帯電話などを追加で貸し出ししている」という。
また、KDDI、ソフトバンクでもすでに災害対策室が設置されているとのことだ。
万が一の時に備えて、大切な人とは災害伝言板やSNSなど、複数の通信手段で連絡をとれるようにしておくのがいいだろう。