iPhone 6で北陸新幹線のLTE速度を調査したらauの通信品質が高かった

文●吉田ヒロ

2015年04月29日 21時30分

 みなさん、こんばんは。いまは週刊アスキーの吉田でございます。前回のXperia Z3での北陸新幹線速度調査に引き続き、iPhone 6編をお送りします。

 まずは、前回触れていなかった北陸新幹線の乗り心地から。北陸新幹線に使われているのはW7/E7系といわれる車両です。特徴はなんといっても12編成の先頭車両がグランクラスという特別室になっている点です。ワタクシは1号車の自由席だったので、11号車のグリーン席と12号車のグランクラス席の車両には入れなかったのですが、東京駅を出発する前に窓からのぞき込んだところ、入り口は和を基調としたエレガントな感じでした。

 詳しくはGoogleが北陸新幹線のインドアビューを公開しているのでそちらを参照してください(関連記事)。とはいえ、料金は普通指定席が1万4120円、グリーン席が1万8750円、グランクラス席が2万6970円となかなか普段使いはできないですね。

グランクラス(インドアビュー)

 ちなみにW7系はJR西日本、E7系はJR東日本の車両で、両者は12号車のグランクラス車両にペイントされているマークで見分けられます。ワタクシが乗った車両は「WEST JAPAN RAILWAY COMPANY」と記載されていたのでW7系でした。この部分が「EAST JAPAN RAILWAY COMPANY」の場合はE7系になります。

北陸新幹線LTE速度調査

 自由席、指定先は赤と黒を基調としたシートになっています。

北陸新幹線LTE速度調査

 テーブルを引き出してみました。このあたりはほかの新幹線と一緒ですね。テーブルの左奥にはペットボトルホルダーが見えます。

北陸新幹線LTE速度調査
北陸新幹線LTE速度調査

 テーブルの裏には、座席に備わっている枕が可動式であること、コンセントが各席に用意されていることが書かれています。

北陸新幹線LTE速度調査

 通路側と中央の席は、コンセントが前の席の下に1つずつ用意されています。

北陸新幹線LTE速度調査

 窓側の席は、窓の下にコンセントが設置されています。窓側の席の場合、前の座席のコンセントが目に付くの使ってしまいそうになりますが、それは通路側もしくは中央の席の人のコンセントなので注意。

北陸新幹線LTE速度調査

 座席に備わっている枕は上下に移動できます。自分の後頭部にフィットする位置に調整すると快適です。

北陸新幹線LTE速度調査
北陸新幹線LTE速度調査

 通路側の座席の方にはつかまるところが用意されています。ワタクシが乗ったはくたか551号は立ち客も出るほどの満員状態だったので、立っている人はこの取ってを掴んでいました。

北陸新幹線LTE速度調査

 前フリ、またまた長くなりましたが、東京駅から金沢駅まで各駅停車の「はくたか」に乗車して全15駅の速度を一挙に公開します。なお、はくたかの停車駅は出発時間や季節などによってさまざまですが、ワタクシは東京発6時28分の551号に乗車しました。計測には「RBB TODAY SPEED TEST」を使い、途中駅では駅に到着する直前から発車までの時間に3回計測した平均値、始発の東京駅と終点の金沢駅では新幹線ホームで3回計測した平均値をそれぞれ算出しました。

 なお、今回は休日(土曜日)の6〜9時、16時の計測であり、平日や時間帯によっては速度が大幅に異なる可能性があります。あくまでも参考値として考えてください。

■総合評価

北陸新幹線LTE速度調査

 先が長くなるので、まずは折れ線グラフで速度の移り変わりを見ていきましょう。各キャリアの下り速度は、auがぶっちぎりの速度を叩き出しているところがあることがわかります。速度変化が最も激しいのはソフトバンクですね。Xperia Z3でのLTE調査と同様に飯田駅から黒部宇奈月温泉駅の間で落ち込みが見られます。

北陸新幹線LTE速度調査

 上りは、速度の上下が激しいもののソフトバンクがずば抜けた速度を叩き出しているところが多数ありました。ドコモとauは目立った速度変化はないものの、一定の通信品質を保ってることがわかりますね。

■東京駅(6時28分発)
東京発の「はくたか」の始発は6時28分に出発するので、その10分ほど前に新幹線ホームで計測。下り速度がドコモが55Mbpsとほかを圧倒。都市部で強い印象のあるソフトバンクですが、東京駅の北陸新幹線ホームではイマイチでした、といっても下り上りとも25Mbps超なのでなんら不満はありませんが。

北陸新幹線LTE速度調査

■上野駅(6時34分発)
上野駅では新幹線は地下ホームということもあり、各キャリアとも苦戦するかと思いきや、ソフトバンクがぶっちぎり。下り30Mbpsを超えています。auは東京駅から半減、ドコモは3分の1程度の速度になってしまいました。

北陸新幹線LTE速度調査

■大宮駅(6時54分発)
各キャリアとも下りは15Mbps超とフツーの結果。ストレスを感じることはないでしょうね。東京駅から大宮駅までは3キャリアとも可もなく不可もなくといったところでしょうか。

北陸新幹線LTE速度調査

■高崎駅(7時20分発)
高崎駅では、下り上りともソフトバンクが優位な結果に。ソフトバンクは、ドコモやauに比べて上りの速度が速い傾向があるのですが、ここでもそれが実証されました。ウェブアプリのようにデータのやり取りが頻発するサービスを利用する際は、ソフトバンクが有利かもしれませんね。

北陸新幹線LTE速度調査

■軽井沢駅(7時37分発)
このあたりから高原地帯に入るのですが、軽井沢駅ではドコモがダントツで下り40Mbps超。ソフトバンクも20Mbps超とまずまず。高原地帯なのでLTEのプラチナバンドが有利かと思いましたが、auは下り10Mbps程度とイマイチな結果でした。

北陸新幹線LTE速度調査

■佐久平駅(7時46分発)
軽井沢駅では振るわなかったauが名誉挽回。下り速度は、auが23Mbps、ドコモが15Mbpsとワンツーでした。ソフトバンクは4G(LTE)から3Gに落ちるなどかなりの低速になりました。

北陸新幹線LTE速度調査

■上田駅(7時56分発)
auが引き続き好調というかぶっちぎりで下り54Mbpsも出しています。ソフトバンクは巻き返して下り20Mbps弱です。ドコモは4G(LTE)通信は維持したものの下り上りとも5Mbps前後と散々な結果に。

北陸新幹線LTE速度調査

■長野駅(8時8分着、8時10分発)
下り上りともソフトバンクが安定した結果に。ソフトバンクの下りは24Mbpsなのに対し、ドコモは11Mbps、auは13Mbpsと半分程度でした。

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■飯山駅(8時21分発)
飯山駅では、auだけがまともに使える状況でした。auの下りは58Mbps、上りは8Mbps。ドコモは4G通信を維持しましたが、下りは8Mbps弱、上りは5Mbpsでした。ソフトバンクは、4Gどころか3Gも掴めず計測不能に。

北陸新幹線LTE速度調査

■上越妙高駅(8時33分発)
auの好調はここでも持続し、下り20Mbps弱でした。ドコモの下りは16Mbps。飯山駅で繋がらなかったソフトバンクもここでは下り上りとも7Mbpsを持ち直しました。

北陸新幹線LTE速度調査

■糸魚川駅(8時46分発)
3キャリアとも下りは25Mbps前後のスピードを叩き出しました。内陸部から起伏の緩やかな海沿いの地域に移動したので、電波が安定したと思われます。

北陸新幹線LTE速度調査

■黒部宇奈月温泉駅(9時01分発)
ドコモ、auとも下りは25Mbps超と良好は結果に。ソフトバンクは下り7Mbps弱とかなり速度が落ちてしまいました。

北陸新幹線LTE速度調査

■富山駅(9時13分着、9時14分発)
都市部に突入し、各キャリアとも下り20Mbps超となりました。ここでのトップはauです。Xperia Z3の検証と同様に、金沢に近づくにつれてauの速度が高いレベルで安定していますね。

北陸新幹線LTE速度調査

■新高岡駅(9時23分発)
auとソフトバンクが下り20Mbps超、ドコモは下り18Mbpsと3キャリアともまずまずの結果に。上りはソフトバンクが17Mbpsとほかを圧倒しています。

北陸新幹線LTE速度調査

■金沢駅(9時37分発)
金沢駅のホームでの計測では、ドコモとauが下り30Mbps超、ソフトバンクが20Mbps超でした。新幹線ホームは乗降客と見物客が人が溢れていましたが、各キャリアとも快適に使えました。

北陸新幹線LTE速度調査

■金沢駅前(16時ごろ)
時間帯は異なるものの、金沢駅前で計測した結果も北陸新架線のプラットホームでも速度に似ています。地方での利用者が多いと考えられるドコモは下り17Mbpsと速度を落としていますが、ストレスになるほどではありません。auは9時台に計測した下り37Mbpsよりも速度が向上し、47Mbpsとなりました。ソフトバンクは9時台の計測とほとんど変わらず下り21Mbpsでした。

北陸新幹線LTE速度調査

 なお、金沢駅周辺では無料の公衆無線LANサービス「KANAZAWA FREE Wi-Fi」が提供されています。約20分間の連続利用が可能で、時間超過しても再度認証すればまた使えます。

北陸新幹線LTE速度調査

 KANAZAWA FREE Wi-Fiを面倒な設定なしですぐに利用したい場合は、事前に「Japan Connected-free Wi-Fi」をインストールしておきましょう。このアプリでインターネットに接続をタップすれば利用可能になります。ただしこのWi-Fiは通信が暗号化されていないので、メールの送受信やウェブページでのフォーム入力の情報が平文で送られてしまうため危険です。くれぐれもクレジットカード番号やパスワード、個人情報などをメールで送ったりしないように。

北陸新幹線LTE速度調査

 最後に取材当日に出会った石川県のゆるキャラを紹介しておきましょう。まずは、能登半島の中央に位置する志賀町(しままち)の公認キャラクターの「西能登あかり」ちゃんです。モチーフとなっている観光名所の旧福浦灯台だそうです。最初見たときは城かと思いました。愛称はもちろん「あかり」ちゃん。

北陸新幹線LTE速度調査

 次に出会ったのが、東京スカイツリーの公認キャラクターである「ソラカラ」ちゃんと、いしかわ新幹線部に所属する「きらら」ちゃん。ソラカラちゃんは、北陸新幹線の開通を見越して観光客誘致のPR活動をしていました。

北陸新幹線LTE速度調査

 最後に、当日のもてなしドームでイベントを主催していた北陸放送のイメージキャラクターの「みらい」ちゃんです。北陸放送のウェブサイトではみらいちゃんの壁紙をダウンロードできますよ。

北陸新幹線LTE速度調査

 ということで終わり。

■関連サイト
Google(北陸新幹線ストリートビュー
西能登あかり(公式サイト
ソラカラちゃん(公式サイト
いしかわ新幹線部(公式サイト

■Japan Connected-free Wi-Fi
開発元:NTT Broadband Platform, Inc.
バージョン:1.0.2
価格:無料

iOS版
AppStore アプリをダウンロード

Android版
Google Playアプリダウンロード

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