ARM社は、次世代アーキテクチャとなる「ARMv8」をARM TechCon 2011で発表した。
現在のミドルレンジ以上の
スマホの大半で用いられている「ARMv7」
ARMプロセッサーには、ソフトウェアから見たアーキテクチャ、および実際のプロセッサー設計であるマイクロアーキテクチャ、その具体的な設計であるハードマクロなどから構成されている。
また、アーキテクチャーは、ARMバージョンXなどと呼ばれており、現在のバージョンは7。これを「ARMv7」と表記する。また、現在のARMプロセッサーは、アプリケーション、マイクロコントローラ、リアルタイムと3つのプロファイルがあり、それぞれARMv7-A、ARMv7-M、ARMv7-Rなどと表記する。今回発表されたARMv8は、アプリケーションプロセッサーのプロファイルであるARMv8-Aのみである。
現在スマートフォンなどに広く利用されているCortex-Aシリーズはマイクロアーキテクチャであり、現在の主流はCortex-A9プロセッサである。そして、最新のCortex-A15は来年ぐらいから登場するとされている。これらのCortex-Aシリーズが準拠しているアーキテクチャはすべて現行バージョンの「ARMv7」である。
このほかにもQualcommの「SnapDragon」シリーズなどは、マイクロアーキテクチャ自体は独自のものだが、ARMv7に準拠しているため、ソフトウェア的な互換性があることになる。
そして今回発表されたのは、次世代プロセッサのアーキテクチャであるARMv8である。最大の特徴は64bitとなるAArch64とAArch32の2つの命令セットを持つ点だ。これまでのARMv7は32bitアーキテクチャだった。そしてAArch32はARMv7の延長上にある。