先生レベルはぜひ「Realforce」でしっとりと執筆を
次は、こちらも名品と名高い東プレの「Realforce」。静電容量無接点方式を採用しており、しっとりとしたタイピング感がじんわりくる。お借りしたのは87キー英語配列のテンキーレス版。静電容量無接点方式ということでHHKBと同じ? と思うかもしれないが、実際は逆。HHKBのキーが東プレのOEMなのだ。
今回お借りしたのは、「REALFORCE 87UB-55」。キーの押下圧がすべて55gのALL55gで、Realforceの中でもかなり押下圧が重いモデル。筆者はハードパンチャーなので、タイピングした時の手応えが非常に気持ちいい。ALL55gは海外で人気で、国内向けモデルのREALFORCEシリーズとしては初採用となる。
テンキーこそないものの、サイズは幅366×奥行き168.5×高さ38mm、重量は1.2kgと大きく、出張に持参するのは無理だろう。DIPスイッチは背面に搭載されている。左CtrlキーとCapsLockキーを入れ替えたり、WindowsキーやNumLockキーを無効にしたりできる。筆者は、やっぱり左CtrlキーとCapsLockキーを入れ替えたが、これは慣れの問題だ。なお、左CtrlキーとCapsLockキーは大きさが違うが、換えのキーとキーリムーバーが付属しているので、交換することもできる。
本製品は、犬で言うなら黒いラブラドール・レトリバー。毛並みがよく、大柄で、静か。今回レビューした「HHKB Professional BT」よりも静音タイプの「HHKB Professional JP Type-S」に近いタイプ音だ。タイプ荷重も55gとずっしりとした手応えがある。
各種キーが独立しているので、普通のキーボードからの移行も違和感なくできるだろう。Windowsキーを始め、一通りの特殊キーを備えているのが、ラブラドールに似て賢いところ。特に派手なところがあるわけではないが、最上の道具として静かに傍らにいるイメージだ。
本製品は、ガジェットに興味はないが、文章にはこだわりたい、という先生クラスにオススメ。上質な手触りが創作欲を高め、独立した特殊キーがあるので使い勝手も損なわない。筆者もあと10年したら「REALFORCE」でゆったりと仕事をしているかもしれない。