「PayPay」お祭り騒ぎに 筆者撮影
12月4日、PayPayの100億円還元キャンペーンが始まりました。対応店舗として大きく報じられたビックカメラにはスマホを持った人の行列ができて、大反響となっています。一方、QRコード決済は手間がかかり、通信障害やメンテナンスで決済ができなくなるトラブルが起きるなど、課題も急速に浮き彫りになりました。
●拡散したくなるアプリ画面が秀逸
まずはPayPayを体験すべく、サービス開始当日の12月4日にビックカメラへ。買うかどうかずっと悩んでいた新型のMacBook AirをPayPayで購入。ビックカメラの3%のポイントと、PayPay残高の20%の還元を受けることができました。
ビックカメラ有楽町店では当日から大がかりなキャンペーンを展開。決済時には店側が用意したQRコードを客がスキャンして金額を手入力する必要があり、突貫工事で対応していた印象はあるものの、店内アナウンスでは還元額を連呼して盛り上げていました。
SNSにはPayPayのスクリーンショットによる買い物報告が続出。決済が終わるとアプリの画面には還元額が表示され、抽選に当たったかどうかも分かります。まさに「誰かに見せたくなる」画面といえます。
一方、当日はアプリ上で多重に決済されたように見える報告がありました。2日後の12月6日にはソフトバンクが通信障害で4時間半近くダウンして、ソフトバンクユーザーはPayPayを使えない事態に。12月8日にはPayPay自体がメンテナンスにより15分間停止しました。
「ローンチしてから問題を直していく」やり方には、金融業界としてはめずらしいスピード感があり、まずは冬のボーナス商戦に間に合わせたのは成功といえるでしょう。ただ、決済サービスとして信頼性を損ねた感はあります。
今後は他の事業者が類似キャンペーンを打ち出してくる可能性はあるものの、一般的には景品表示法の制限があることから、今回のPayPayを上回る還元は法的に難しいとの見方もあります。PCや家電の買い換えに、またとないチャンスであることは間違いないでしょう。