Galaxy Z Flipを実際に使ってみて便利に感じたのがディスプレーを無段階で固定できること。特にカメラアプリではディスプレーをほぼ90度に開くと、プレビュー画面と操作部がちょうどディスプレーの折り目で分かれて、三脚なしに据え置きカメラとして利用可能になる。このスタイルはビデオ通話する際にも重宝しそうだ。
また、ディスプレーのアスペクト比が21.9:9と極端に縦長なことで、アプリを2画面表示した際にそれぞれに実用的な面積が確保されるのもポイント。もちろん、横持ちすれば映画コンテンツを迫力のワイドスクリーンで鑑賞できる。
想像していた以上に便利だったのが、小さな小さなカバーディスプレー。メールを受信しても表示されるのは件名だけで本文を読むためには端末を開く必要がある。しかしこの制限には、スマホの通知にその都度煩わされなくて済むというメリットを逆に感じた。
Galaxy Foldからの
フォルダブルスマホとしての進化点
フォルダブルスマホとしての完成度については、ディスプレーを触った瞬間実感できた。Galaxy Z Flipには「フレキシブルガラス」が採用されており、Galaxy Foldの「ポリマー製ディスプレー」より明らかに表面の硬度が高い。
実際に両者の傷耐性、割れ耐性がどのぐらいの差があるのかはGalaxyの公式サイトやニュースリリースで公開されていないが、少なくとも実際に使っていて不安感が少ないのはGalaxy Z Flipであることは間違いない。
通常撮影は遜色ないが
ナイトモードはGalaxy Foldが勝る
カメラについては望遠カメラが省かれている時点で大きくスペックダウンしているが、それでもカメラ性能に定評のあるGalaxy製品だけに広角、超広角のカメラ画質は十分満足がいくレベルだ。
特に料理写真については、Galaxy Foldと同等の画像処理が施されているようで、実に旨そうに撮影できる。
ただしナイトモードでは、両機種に大きな差が見られた。同じ写真で比較するまでもなく、Galaxy Z Flipは強い光源が白飛びし、またノイズも多く見受けられる。Galaxy FoldにはF1.5/F2.4の 自動切替によるデュアルアパチャー機能が広角カメラに搭載されているが、この光の取り込み量を調整する機能がナイトモードで重要な役割を担っている。
Galaxy Z FlipはGalaxy Foldより
1.08倍速かった
最後にGalaxy Z Flipのパフォーマンスを見てみよう。総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは489061、CPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは2658、3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1のスコアは6046という結果だった。
Galaxy FoldのAnTuTu Benchmarkの総合スコアが452267だったので、Galaxy Z FlipはGalaxy Foldの約1.08倍のパフォーマンスを備えていることになる。メモリー搭載量がGalaxy Foldが12GB、Galaxy Z Flipが8GBなので、重たいアプリをたくさん実行した際には逆転する可能性があるが、たとえそうだとしてもどちらも一線級のパフォーマンスを備えていることに疑いようはない。
ガラケーを思い出させるサイズ感がたまらない
やがてスマホはすべて2つ折りになる
端末を小さくできることにどのぐらいのメリットがあるのだろうかと若干テンション低めでGalaxy Z Flipの試用を始めたが、往年のガラケーを思い出させるようなサイズ感は携帯性バツグンだ。
プラス1~2万円ぐらいでフォルダブル機構を実装できるようになれば、スマホの主流のスタイルになると確信するほど気に入った。
なおGalaxy Foldはすでに販売を終了しており、Galaxy Z Flipも同様に予定数が売り切れれば、再生産しない可能性が高い。
もしGalaxy Z Flipのことが気になるのであれば、できるだけ早めに決心&購入することを強くオススメするのである!