Fire HD 8 PlusとFire HD 8最大の違いはワイヤレス充電(Qi規格)に対応していること。これは単にケーブルレスで充電できるだけでなく、Made For Amazon認定を取得したANGREAT製「ワイヤレス充電スタンド」(4600円)に立てかければ、スマートディスプレー「Echo Show」として機能する「Showモード」に自動的に切り替わる。Showモードには手動でも切り替えられるが、置くだけでEcho Showとして利用できるのは非常に便利だ。
同じプロセッサーを搭載しているFire HD 8 PlusとFire HD 8だが、メモリーはFire HD 8 Plusが3GB、Fire HD 8が2GBと差別化されている。容量の大きなアプリを複数起動して、切り替えつつ利用するときに3GBメモリーは効果を発揮する。ただしこまめにアプリを終了して使うのであれば、体感できるような差はない。
最後の差別化ポイントは本体ではなくACアダプター。Fire HD 8 Plusには9W、Fire HD 8には5WのACアダプターが同梱されている。5WのACアダプターでは充電に約5時間かかるところ、9WのACアダプターでは約4時間で充電が完了すると謳われている。正直、売りにできるほどの差ではないが、9WのACアダプターは単体で販売されていない。どうしてもほしいのならFire HD 8 Plusを購入するしかない。
設定すれば「荒野行動」も
プレイできるパフォーマンス
パフォーマンスについては定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」で計測してみたが、Fire HD 8 Plusが総合スコア90574、Fire HD 8が総合スコア89542となった。1032しか差がないので、両者のパフォーマンス差は誤差範囲だ。
ちなみに6月10日時点のAnTuTu Benchmarkのランキングを見てみると、プロセッサーに「Snapdrgon 865」(8コア、最大2.84GHz)を搭載する「Mi 10 Pro」がFire HD 8 Plusの6.52倍に相当する総合スコア590838を叩き出し、トップに君臨している。とは言え、Mi 10 Proの価格は999ユーロ(12万1934円、6月10日時点)だ。価格差を考えればFire HD 8 Plusは健闘している。
2000円の価格差にこだわり
最適な一台を選ぼう
Fire HD 8 PlusとFire HD 8のどちらを購入するか悩んでいる方は多いと思うが、最重要ポイントは置くだけでShowモードに切り替わる機能が必要かどうかだと筆者は考える。メモリー(RAM)容量の違いは使い方次第でどうにでもなるし、ストレージ(ROM)容量もmicroSDメモリーカードで増量できるので上位モデルにこだわる必要はない。
Fire HD 8 PlusとFire HD 8は一般的なAndroidタブレットよりも安価なデバイスだ。だからこそ、ご自身の利用シーンを明確にイメージして、2000円の価格差にこだわり、最適な一台を選んでほしい。