ASCII Power Review

ROG Zephyrus Duo 15 実機レビュー = リフトアップで2画面ノートPCの完成形だ!!

文●写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

2020年08月28日 13時00分

 セカンドディスプレーを、ZenBook Pro Duo/ZenBook Duoは「ScreenPad Plus」、ROG Zephyrus Duo 15は「ROG ScreenPad Plus」と呼んでいるが、基本機能に違いはない。セカンドディスプレーの左側に透明アイコンが表示されており、それをタップすると、アプリランチャーが起動する。そして左側には、輝度、タスクグループ、アプリの上下入れ替え、アプリナビゲーター、キーボードロック、設定アイコンが並んでおり、セカンドディスプレーに関する操作、設定が素早く可能だ。

 デュアルディスプレー搭載ノートPCとしての最大の進化は、やはりセカンドディスプレーがリフトアップすること。たとえばZenBook Duoのセカンドディスプレーの角度は実測5度だが、ROG Zephyrus Duo 15は13度。その差は8度だが、視認性は大きく向上する。ぜひZenBook Pro Duo/ZenBook Duoの後継機にも、同じ機構を採用してほしい。

 ちょっと意外だったのがタッチパッドの仕様。ZenBook Pro Duoはタッチパッドにテンキーを統合した「NumberPad」が搭載されているが、ROG Zephyrus Duo 15はZenBook Duoと同様にクリックボタンが独立したタッチパッドが採用されている。確実に操作するための仕様だと思われるが、「Microsoft Flight Simulator」のようにテンキー必須のゲームには外付けテンキーなどを用意する必要があるわけだ。

 

「ROG ScreenPad Plus」の基本機能は変わらないが、ランチャーに登録されているデフォルトのアプリから「Spotify」、「KKBOX UWP」が削除された

ウインドーをつかむと表示されるメニューも、べつのディスプレーに移動、ピン留め、メインとセカンドに全画面表示と同じ構成だ

ゲームプレイ中に、統合ユーティリティー「Armoury Crate」を表示しておけば、パフォーマンスを素早く調整したり、ステータスをリアルタイムに確認できる

現ZenBook Duoユーザーの筆者がオススメする使い方は、両方のディスプレーをまたがる全画面表示でのブラウジング。前後の見通しがいいので、快適に閲覧可能だ

セカンドディスプレーの下に物を挟まないようにという警告メッセージが記載されている

キーボードは英語仕様のみだが、日本語仕様よりキーの数が少ないおかげで、文字キーはすべて等幅に揃えられている。一部の記号キーの配置さえ覚えれば、日本語キーボードと同様に快適にタイピングできるようになる

パームレストはゴム製。装着したほうがタイピングしやすいが、実測267.7gと結構重いので、携帯には不向きだ

絶対的なパワーには文句なし
バッテリー駆動時間は我慢すべし

 さて、最後にパフォーマンスをチェックしよう。まずCPUについては、「CINEBENCH R20」のCPUは4155 pts、CPU(Single Core)は495 pts、「CINEBENCH R20」のOpenGLは136.50 fps、CPUは1844 cb、CPU(Single Core)は210 cbという好スコアを記録した。筆者が直近でレビューした、「Core i7-10875H」を搭載する「Predator Triton 500」がCINEBENCH R20が3850 pts、CINEBENCH R15が1832 cbだった。8コア、16スレッドという点は同じだが、クロック周波数が高い「Core i9-10980HK」を搭載するROG Zephyrus Duo 15が順当に勝利を収めた。

 一方、ディスクリートGPUはどちらも「GeForce RTX 2080 SUPER Max-Q」を搭載しているため、ROG Zephyrus Duo 15が「3DMark」のTime Spyは8924、Fire Strikeは19988、Port Royalは5467、Predator Triton 500がTime Spyは9436、Fire Strikeは20593、Port Royalは5663という結果となった。こちらは誤差範囲のスコア差だ。

 ちなみに、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK」(標準品質、3840×2160ドット、フルスクリーン)のスコアは4588(やや快適)を叩き出している。4K解像度でも快適にプレイできるのだから頼もしい性能だ。

 ストレージ速度については、「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリードは3499.20MB/s、シーケンシャルライトは3309.74MB/sを記録。元々高速なサムスン製SSD「PM981a(MZVLB1T0HBLR-00000)」をRAID 0で搭載しているだけに、ノートPCのストレージとしてはトップクラスのスピードだ。

 バッテリー駆動時間は、ディスプレー輝度40%、バッテリー残量2%までという条件で「BBench」で計測したところ、3時間34分27秒という結果となった。メイン、もしくはセカンドディスプレーだけで運用すれば多少バッテリー駆動時間は延びるだろうが、基本的には電源を確保できる場所で使用するマシンと考えたほうがいい。

 最後に本体の発熱だが、キーボード面の最大温度は46.7℃、セカンドディスプレー下の最大温度は55.7℃、底面の最大温度は57.2℃とかなり高めだ。セカンドディスプレー下は触れない部分なので問題はないが、膝上で高負荷な処理を実行するのは遠慮しておきたい。

ベンチマークは、統合ユーティリティー「Armoury Crate」でパフォーマンスを「Turbo」に設定して実施している

「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリードは3499.20MB/s、シーケンシャルライトは3309.74MB/s

キーボード面の最大温度は46.7℃、セカンドディスプレー下の最大温度は55.7℃、底面の最大温度は57.2℃

デュアルディスプレー搭載ノートPCの現時点の完成形なのだ!

 本製品はリフトアップ機構を採用することで、デュアルディスプレー搭載ノートPCとして現時点の完成形だ。そして、「Core i9-10980HK」と「GeForce RTX 2080 SUPER Max-Q」を組み合わせることで、ゲーミングノートPCとしてトップクラスのパフォーマンスを備えている。そのぶん価格はお高めだが、ユーザー体験とパフォーマンスの両面において、ゲーミングノートPCとして群を抜いた存在であり、またクリエイティブワーク向けのマシンとしてももってこいの一台なのである。

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