Xperia温故知新! 波瀾万丈な歴史を紐解く

あの名機には届かなかった大画面ミドルスマホ「Xperia T2 Ultra」

文●君国泰将 編集● ASCII

2020年10月16日 10時00分

 今回紹介する国内未発売Xperiaは、2013年第2四半期に登場した「Xperia T2 Ultra」です。コードネームはTianchi、シングルSIMタイプのモデル番号は「D53/XM50t」、デュアルSIMタイプのモデル番号は「D5322/XM50h」です。

 2013年後半に国内キャリアでも発売され今なお人気を誇る「Xperia Z Ultra」に続いて、「Xperia T2 Ultra」は2014年前半にリリースされました。“Ultra”というネーミングからわかるように、「Xperia Z Ultra」と同じ大画面シリーズの、ミドルレンジモデルです。

 ディスプレーサイズは、6型(720×1280ドット)。本体サイズは、83.8×165.2×7.65mmで、重量は約172g。「Xperia Z Ultra」のディスプレーは6.4型だったのでやや小さくなっており、そのぶん大画面ながらも片手でも持ちやすく感じるサイズ感に仕上がっています。

 ただし、せっかくの大画面にもかかわらず、解像度がHD(720×1280ドット)と低く、画像の粗さが目立ってしまうところもありました。画質にまつわる技術としては、幅広い色再現領域をもつ「トリルミナスディスプレイ for mobile」を採用し、写真や動画を鮮やかに表示するためのエンジンは「X-Reality for Mobile」ではなく、「モバイルブラビアエンジン2」を備えています。

 スペックはCPUにSnapdragon 400(MSM8928、1.4GHz)、メモリー1GB、ストレージ8GB。OSは、Android 4.1を搭載。オムニバランスデザインや電源ボタン、ボリュームキー、カメラキーというXperiaのアイデンティティを引き継ぎながら、背面は光沢感のある樹脂素材で電源ボタンなどのハードキーはすべて樹脂製でした。ミドルレンジということもあってか、スペックも外観も控えめだったのです。

Xperia Z Ultra(右)と比較

 サイドにあるカバーを開くと、microSDカードスロット、SIMトレイが現れます。イヤフォンジャックやmicroUSB端子はキャップレスになっていますが、防水・防塵性能はありません。また、背面中央上部にNFC、下部にスピーカーが配置されています。カラバリはブラックとホワイト、パープルの3色です。

 カメラは約1300万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」を採用し、インカメラは110万画素のスペックでした。

 オーディオ機能に目を向けると、内蔵スピーカーに適した再生ができる「Clear Phase」、低域を再生する「xLOUD」といったスピーカー向けの機能を搭載していましたが、イコライザーや「ClearAudio+」といったサウンドエフェクト機能はありませんでした。

 また、Xperia T2 Ultra独自機能として、ホームボタンをダブルタップすると、通知パネルが画面の下側にショートカットして表示され、片手で本体をホールドしたまま親指で使えるといった「片手で通知アクセス」をがありました。また、キー入力のIMEとして「POBox Plus」を備え、キーを右側、もしくは左側によせて小さく表示する「片手キーボード」が可能。画面が大きいので、片手での使いやすさを意識していたのです。

 過去モデルのXperia Z Ultraは、背面がガラスで側面にもアルミの削り出しキーなど非常に質感が高く、大画面スマホ“ファブレット”とも呼ばれ、あまりにも有名になったモデルでした。その人気モデルに続いて登場したXperia T2 Ultraはあくまでもミッドレンジということもあり、そのインパクトを上回ることはできませんでした。

 しかしながら、これまでのXperiaシリーズのホワイトカラーの多くがベゼルはブラックだったものから、Xperia T2 Ultraではベゼルもホワイトとなり、新たな印象を与えてくれるモデルだったのは間違いありません。

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