アップル「MagSafeデュアル充電パッド」実用レベルで充電速度も◎

文●佐藤 正人/ASCII

2021年01月04日 15時00分

 スマホ用の充電アダプターって、気が付くと数が増えてそのうち使わなくなるものも出てきますよね。そんな中、アップルがiPhone 12シリーズから電源アダプターの同梱を廃止したことで、今後それに追随する企業が増えることが予想されます。

 過去にスマホを購入したことがある人なら、すでに1つや2つ持っていると思うので、無駄が減っていいかもしれませんね。

iPhoneとApple Watchを同時充電できる純正品が出た

「MagSafeデュアル充電パッド」

 もう時間が経ちすぎていつのことだったか忘れてしまいましたが、アップルはiPhoneとApple Watch、そしてAirPodsを同時に3台まで充電できるワイヤレス充電マット「AirPower」を発表したものの、開発中止になった過去があります。正式な理由は明らかにされていませんが、相当、開発が難しかったようです。

 そして2020年10月、iPhoneとApple Watchの2台を同時に充電できる「MagSafeデュアル充電パッド」を発表、12月から販売開始しました。価格は税別1万4800円と、なかなかのお値段。さっそく購入してみました。

電源アダプターは同梱されず

MagSafeってなに?

 MagSafeとは、iPhone 12シリーズから採用された本体背面に埋め込まれている磁石のことで、円形状に配置されており、対応する充電器やケースを装着して効率良く充電できるようになります。これまでQiと呼ばれる規格によって最大7.5Wによるワイヤレス充電が可能でしたが、MagSafeではその倍となる最大15Wでのワイヤレス充電が可能です。

 もともと、同名称の技術はMacBookの本体とACアダプターを接続するために利用されていました。最近のMacBookはUSB Type-Cを充電端子に採用していますが、MagSafe時代の簡単に脱着できる手軽さも良かったですよね。

MagSafeによって効率よく充電可能に

開いた状態。左側にMagSafe、右側にApple Watch磁気充電が配置されている

 Qi充電では、充電器と端末がきちんと真ん中に置かれていないなど、利用者の使い方次第で充電効率に影響することがあります。また、最大出力が7.5Wでしか充電できないため、ケーブルを直接繋いだ充電速度と比較してかなり遅くなるのがデメリットでした。

 iPhone 12シリーズ以降、MagSafe充電器を使うことで最大15Wに対応し、大幅に充電速度がアップしました。マグネットの力で位置合わせをしてくれるため、誰が使っても本体と充電器の位置が合うのもいいところです。

充電速度は予想に反して実用レベルだった

iPhone 12 ProとApple Watchを同時に充電している状態

 MagSafeデュアル充電パッドが発表された当初、最大14Wによるワイヤレス充電であることが判明したことで、単体のMagSafe充電器(最大15W)よりも充電速度が劣ってしまうことにとてもガッカリしていました。

 ちなみに、最大11Wのワイヤレス充電には9V/2.22Aに対応する20W USB-C電源アダプターが必要で、最大14Wのワイヤレス充電には9V/3Aに対応する27W以上のUSB-C電源アダプターを別途用意する必要があるとアップル公式サイトに記載されています。また、「Apple 29W USB-C 電源アダプタ」は対応していないとの注意書きもあるので、手元にある電源アダプターを確認してから購入しましょう。

Apple Watchを立てた状態でも充電できる

 実際にMagSafeデュアル充電パッドを使ってみると、思っていた以上に充電速度が出ていることがわかり、実用レベルで使えるという結果に。厳密に時間を計測したわけではないですが、MagSafe充電器と比べて30分以上も速く充電できたので、明らかにMagSafeデュアル充電パッドのほうが性能的にも上であることがわかりました。当然、iPhoneとApple Watchを同時に充電していると速度は落ちてしまうため、iPhoneだけ充電している場合に限った話になりますが。

 オフィスや旅行など、持ち運んで使う際には最適のアイテムで、接続ポートがLightningであることを除けば、性能や使いやすさといったトータルバランスを見てもMagSafeデュアル充電パッドはオススメしやすい1台かと思いました。

折り畳むと非常にコンパクト

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