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本体もケースもスリムになって2画面の魅力がアップした「LG VELVET」 (1/2)

文●佐野正弘 編集●ASCII

2021年01月08日 12時00分

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 ドコモが2020年12月18日に販売を開始したLGエレクトロニクス製の5G対応スマートフォン「LG VELVET」は、同じくドコモなどから販売された「LG V60 ThinQ」が持つ、ケースを装着してディスプレーを2つに増やせるというコンセプトを引き継ぎながらも、スマートフォン単体としての魅力を向上させた端末である。

 では一体、どのような点が変化しているのか、実際に触れて確認してみよう。

単体でのデザイン性は大幅にアップした

 まずは本体のサイズだが、約74×167×7.9mmで重量が約180gと、LG V60 ThinQ(約78×170×9.2mm、約218g)と比べ大幅な薄型化と軽量化、そして幅の狭さによる持ちやすさを実現している。それでいてディスプレーサイズは約6.8型と大画面を維持していることから、スマートフォン単体での魅力は大幅に高まったといえるだろう。

 また本体デザインも大きく変化している。LG V60 ThinQは単体でのデザインが没個性的だったのに対し、LG VELVETはカーブドディスプレーの採用によって薄く、高級な印象を与えるデザインに仕上がっている。

「LG VELVET」本体単独で見たところ。よりスリムになり、カーブドディスプレーの採用などで洗練された印象のデザインに変更された

 背面のカメラ部分も、縦に並ぶしずくのような独自性のあるデザインと配置がなされているし、スリープ解除時に表示される壁紙も動きのある洒落た内容のものを採用。ソフト・ハード全面で洗練度を高め、スタイリッシュな印象を与えることに注力してきたといえる。

背面から見たところ。カメラは独特のデザインで、出っ張りが小さいのも好感が持てる

 それだけに唯一惜しいと感じるのがフロントカメラで、パンチホールではなくノッチを採用、カメラ周辺の縁も太めでやや野暮ったさを感じてしまう。ここまでこだわりを見せているのであれば、せめてしずく型のノッチを採用するなどの工夫が欲しかった。

フロントカメラ部分はノッチを採用。黒い部分が少々目立つのは惜しい

 一方のインターフェースに目を移すと、LGエレクトロニクスらしく電源キーや音量キーのほかにGoogleアシスタントを呼び出すキーを搭載するほか、本体下部にはUSB Type-C端子だけでなくイヤホン端子も搭載している。

左側面には従来のLGエレクトロニクス製端末と同様、音量キーに加え「Googleアシスタントキー」も用意されている

 なおディスプレーには有機ELを採用しているので、指紋センサーはデザイン性を損なわないようディスプレー内蔵型のものを搭載している。一方で顔認証には対応していない。

指紋センサーはディスプレー内蔵型なのでコロナ禍の現在はうれしい仕様だ

性能はミドルハイ、カメラはSNSに注力

 デザイン面は大幅に強化されたLG VELVETだが、その一方で低価格化のため性能はややダウンしている。実際搭載しているチップセットは「Snapdragon 765G」で、メモリーは6GB。LG V60 ThinQと比べた場合、1つ下のクラス性能といえる。

 ストレージは128GBと変わっていないが、microSDは最大1TBにまで対応。ゲームを最高画質で楽しむといった用途には向いていないが、通常操作はもちろん影響の出ない必要十分なスペックであることは覚えておくべきだろう。

microSDはSIMと同じトレイに乗せて利用する形。最大1TBまでの容量に対応している

 バッテリーも4300mAhと、軽量化の影響もありLG V60 ThinQ(約5000mAh)からは減っている。とはいえこちらも単体で利用するなら十分な容量を備えているので安心感は高い。

 一方でカメラは約4800万画素でF値1.8の標準カメラと、約800万画素でF値2.2の広角カメラ、約500万画素でF値2.4の深度測定用カメラと、トリプルカメラに増えている。ただ標準・広角カメラのスペックはLG V60 ThinQより下がっているようだ。

メインカメラは3眼構造と増えているが、1つ1つの性能は下がっている

LG VELVETの標準カメラで撮影した写真

こちらは超広角カメラで撮影した写真

 機能面を見ると、背景ぼかし以外にも顔を中心としたさまざまな演出ができる「ポートレート」モードや、顔にリアルな加工が施せる「ARステッカー」など顔の撮影にこだわった機能が豊富な印象だ。また動画撮影に関しても、小さな咀嚼音の表現も収録できる「ASMR録音」や、環境音を減らして人物の声を聞き取りやすくする「ボイスアウトフォーカス」など、音の録音に関する機能が充実している。

非常に強力というほどではないが、「ナイトビュー」モードを使えば暗い場所でも明るく撮影できる

「ポートレート」モードで撮影。人物以外で使える効果は背景ぼかしなどに限られるが、顔を撮影する際は深度測定カメラの活用で非常に多くの効果を付与することが可能だ

動画撮影時にマイクの録音方法を選べるのもポイントだ

 そしてもう1つ注目すべきはフロントカメラで、こちらは1600万画素でF値1.9と、LG V60 ThinQよりむしろ性能強化がなされている。これら一連の変化点を考慮すると、セルフィーや動画などSNSの利用にこだわる、女性を中心とした若い世代に注力した内容であることが分かるだろう。

通常のARステッカーより一層リアルな演出ができる「3D ARステッカー」。フロントカメラからなら手軽に活用できる

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