スマートフォンを中心に据えたスマートリビング
課題は端末の単価 ハイエンドではサムスンやアップルと差
シャオミは同社最初のスマートフォンを発表して、8月で10周年を迎える。共同創業者のLei Jun氏は従業員宛てのメッセージで、2016年から立て直しを図ったことなどを振り返りながら、世界シェア2位を“戦略の勝利”と綴っている。
戦略とは2020年8月に公表した「スマートフォン×AIoT」だ。スマートフォン事業を中核とし、IoTデバイスとの接続性によりスマートリビングエコシステムを構築するというもの。狙うはスマートリビング市場となる。実行にあたっての3つの指針として「イノベーション」「価格対効果」「クールな製品を作る」を掲げている。
研究開発費として2020年に100億人民元近く(約1700億円)を投入し、今年はさらに130億人民元(約2200億円)に増やすというが、その成果として今年は同社初のイメージングチップ「Surge C1」をローンチしている。また3月には、電気自動車分野に参入することも発表している。
Canalysはシャオミ、Oppo、Vivoの中国勢の課題として、ハイエンドをあげている。シャオミの平均販売価格(ASP)はサムスンと比べると40%、アップルとの比較では75%低いと指摘している。最新技術を安価に提供することが同社が成長してきた理由であり、今後の方針でもあることを考えると、ハイエンド戦略は微妙な舵取りが求められそうだ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている