最後にパフォーマンスをチェックしよう。まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」で8728pts、「CINEBENCH R20」で3320pts、「CINEBENCH R15」で1352cbを記録した。
Core i5-1145G7(4C、8T、最大4.40GHz)/メモリー8GB/ストレージ256GB(PCIe Gen3)/ WUXGA(1920×1200ドット)ディスプレーを搭載する「ThinkPad X1 Carbon Gen9」が5224pts、2052pts、841cbだったので、Gen10は約1.67倍、約1.62倍、約1.61倍のCPU性能を発揮したことになる。12C(4P+8E)、16T、最大4.40GHz動作の「Core i5-1240P」がマルチコア性能の威力を遺憾なく発揮したわけだ。
3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyで1564、Fire Strikeで4296、Wild Lifeで12024を記録。Gen9が1518、4123、10427だったので、Gen10は約1.03倍、約1.04倍、約1.15倍に留まったことになる。
「ファイナルファンタジーXIV:暁のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは6858(やや快適)を記録しているので、同程度の負荷のゲームならプレイ可能だ。ただし、AAAタイトルは解像度、画質を相当調節しないと、実用的な速度でプレイするのは厳しい。
ストレージ速度は「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で3417.66MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で2279.91MB/sを記録した。実用上問題はないが、できればPCIe Gen4 x4接続のSSDを選びたいところだ。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%でバッテリーベンチマーク「BBench」を実行したところ、9時間38分7秒動作した。大台にはわずかに届かなかったがモバイル用途に十分なバッテリー駆動時間を備えている。
ThinkPad X1 Carbonの第10世代は
最上位CPUを選ばなくても十二分の満足感
今回のテストはCore i5-1240Pだったが、それでも第11世代(Tiger Lake)のCore i7を上回るCPU性能を発揮した。
もちろんクリエイティブワークに利用するのなら、CPU性能は高ければ高いほどイイ。しかしThinkPad X1 Carbonの魅力は、極上のキーボードをはじめとした総合的な品質の高さなのである。
第12世代(Alder Lake)のCPUを採用したGen 10では、あえて最上位CPUを選ばなくても、十分な満足感を得られるだろう。