2022年モデルの売りのひとつがウェブカメラを720pから1080pに高解像度化したこと。実際にWindows 11の「カメラ」アプリで撮影してみたところ、室内灯下でも明るく、自然な発色、そしてもちろん解像感高く撮影できた。ややノイズが多いが、ビデオ通話しているときであれば気にならないだろう。
CPUは発熱低めのチューニングで、3D性能はさすがGPUの威力を発揮
最後にパフォーマンスをチェックしよう。試用機はCore i7-1260P / NVIDIA GeForce RTX 2050 / RAM16GB / SSD1TBという構成だ。
まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」は9543pts、「CINEBENCH R20」は3675pts、「CINEBENCH R15」は1725cbとなった。直近にレビューしたCore i7-1260P搭載機「XPS 13 Plus」が10993pts、4213pts、1837cbだったので、gram 16はその約87%、約87%、約94%のスコアに留まったことになる。
ただし、ベンチマーク中にXPS 13 PlusはCPU温度が平均98.44℃に達していたが、gram 16は平均74.21℃に抑えられていたので、発熱低めのチューニングが施されている可能性が高い。
一方、3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyで3015、Fire Strikeで7071、Wild Lifeで17358を記録した。
XPS 13 Plusが2054、5430、14256だったので、16Z90Q-AA79J1はその約147%、約130%、約122%のスコアを記録したことになる。NVIDIA GeForce RTX 2050を搭載するgram 16は3Dグラフィックス性能では逆転を果たしたわけだ。

「3DMark」のTime Spyは3015、Fire Strikeは7071、Wild Lifeは17358、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは3743(普通)
ストレージ速度については、「CrystalDiskMark 8.0.4a」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で6360MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で4935MB/sを記録した。
試用機にはサムスン製PCIe Gen4 x4接続SSD「MZVL21T0HCLR-00B00」が搭載されていたが、リード7000MB/s、ライト5100MB/sの仕様値には届かなかった。とは言えPCIe Gen3 x4接続のSSDとは段違いのパフォーマンスを備えている。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%でバッテリー残量2%になるまでYouTube動画を連続再生したところ、13時間4分も動作した。よほどブラックな仕事を強いられなければ、ACアダプターなしで1泊2日の出張もこなせそうだ。
トータルバランスが優れたgram16はモバイルノートPCの優等生だ
本製品はディスクリートGPUと90Wの大容量バッテリーを搭載しつつ、重量は1285gに抑えているデザインがお見事で、さすがはgramシリーズという出来栄えだ。
インターフェースも新旧端子が揃えられており、拡張性も申し分ない。そしてバッテリー駆動時間は13時間超えと際立った長時間を実現している。
さらにディスプレーはDCI-P3カバー率が99.3%と広色域。キーボードとタッチパッドも上質で、トータルバランスに優れたLG gram 16は、モバイルノートPCのお手本とも言う優等生マシンだ。