山根博士の海外モバイル通信

今度は2モデル! Galaxyではない高級折りたたみスマホ「Samsung W23」登場

文●山根康宏 編集●ASCII

2022年11月10日 12時00分

サムスンが中国で発売した「Samsung W23」と「Samsung W23 Flip」

 折りたたみスマートフォンの代表メーカーでもあるサムスン。日本を含むグローバル市場では「Galaxy Z Fold4」と「Galaxy Z Flip4」を販売中です。両モデルは中国でも発売になりましたが、中国の折りたたみスマートフォン市場でシェア1位はなんとファーウェイ。ここ数年、中国ではまったく存在感を示すことができていないサムスンとしては、Galaxy Zシリーズで巻き返しを図りたいところですが、10月21日に2つの新製品を投入してファーウェイに対抗しています。

 その新製品は「Samsung W23」「Samsung W23 Flip」の2モデルです。GalaxyではなくSamsungの名前をそのまま使う珍しい製品ですが、これは中国の通信キャリア、中国電信とのコラボモデル。Samsung Wシリーズは2008年に最初のモデル「W699」が投入され、中国では「心系天下」のブランド名を持つ高級スマートフォンとして一定の人気を得ています。

 2019年投入の「W20」からは折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold 5G」をベースモデルとし、2020年は「Galaxy Z Fold2 5G」をベースとした 「W21」が、2021年は「Galaxy Z Fold3 5G」ベースの「W22」が登場しました。

 そして2022年の心系天下最新モデルはGalaxy Z Fold4をベースにしたSamsung W23に加え、縦折りモデル「Galaxy Z Flip4」をベースにした「Samsung W23 Flip」も登場。シリーズ15年目にして初の2モデル体制となりました。

Galaxy Z Fold4をベースにしたSamsung W23

 Samsung W23の外観デザインは、Galaxy Z Fold4と変わらないように見えます。実際に両者のサイズは同一で、Samsung W23は280gと重量が17g重くなっていますが、これは材質の差でしょう。フレームやモールドはゴールドカラー、ヒンジ部分は表面をドット仕上げとすることで高級感を出しています。前述したように心系天下は上質な仕上げかつハイスペックな高級モデル。そのためターゲットユーザーの年齢層も高めです。「渋い」仕上がりに見えるのはそのためです。

高級感を出すためにあえて渋い仕上げにしている

 Galaxy Z Fold4はメインディスプレーにSペンを使って手書き入力することができますが、Samsung W23も同様のことができます。そしてSamsung W23用に付属するSペンはペンの上部にゴールドのラインが入った特別仕上げ品。なおGalaxy Z Fold4ではSペンは付属せず別途購入が必要ですが、Samsung W23はSペン付きで販売されます。

SペンもSamsung W23に合わせたカラーリングのモデルが付属

 中国での販売価格はメモリー構成が異なるため同等スペックで比較できませんが、Samsung W23がメモリー16GB+ストレージ512GBの組み合わせで1万5999元(約32万5000円)。これはGalaxy Z Fold4の12GB+1TBモデルと同等です。なお、Galaxy Z Fold4はメモリー12GBモデルしか販売されておらず、12GB+256GBモデルが1万2999元(約26万4000円)、12GB+512GBモデルが1万3999元(約28万4000円)です。

メインディスプレイの壁紙もGalaxy Z Fold4とはイメージを変えている

 Samsung W23 Flipのほうも外観はGalaxy Z Flip4とそっくりです。こちらはサイズ、重量とも両者同一のためカラバリを変えたモデルという見方もできそうです。とはいえ、Samsung W23 FlipはカジュアルなデザインのGalaxy Z Flip4にはない重厚感が漂っています。心系天下ブランドを名乗るにふさわしい仕上がりにしているわけですね。ヒンジ部分のデザインもSamsung W23同等の仕上がりになっています。

Galaxy Z Flip4がベースのSamsung W23 Flip

 Samsung W23 FlipとGalaxy Z Flip4はやはりメモリ構成が異なり、価格はSamsung W23 Flipの12GB+512GBモデルが9999元(約20万3000円)。Galaxy Z Flip4は8GB+256GBモデルで7499元(約15万2000円)、8GB+512GBモデルが8499元(約17万2000円)です。Samsung W23/Galaxy Z Fold4よりもSamsung W23 Flipのほうがやや割高に設定しているようです。

高級感を感じられるデザインだ

 Samsung W23は日本円で30万円強、Samsung W23 Flipも20万円を超えるなど、かなり強気の価格設定になっていますが、サムスンとしては勝機は十分あると考えているでしょう。それは心系天下シリーズには根強いファンがおり「あえて高価格の端末を買う」層が一定数存在するからです。

 またライバルとなるファーウェイの折りたたみスマートフォンの価格は、横折り式の「HUAWEI Mate Xs 2」の最上位モデルが1万2999元(約26万4000円)、縦折り式の「HUAWEI P50 Pocket」最上位モデルが9988元(約20万3000円)。この2つのモデルは高級機として中国での人気は絶大です。しかもファーウェイはこの2機種で中国の折りたたみスマートフォンシェアの約半数を取っているのです。つまり、折りたたみスマートフォンを現時点で買う層は価格を気にしていないのです。価格に見合った上質仕上げなモデルを出せば十分売れるというわけですね。

 興味深いことにファーウェイはHUAWEI P50 Pocketの廉価版として「Huawei Pocket S」を11月2日に発表、5988元(12万2000円)という価格はGalaxy Z Flip4よりも安く設定されています。サムスンがSamsung W23シリーズでファーウェイの上位モデルへの対抗を明らかにする一方で、ファーウェイはサムスンのカジュアルモデル対抗機を出すというのは面白い動きでしょう。中国の折りたたみスマートフォン競争は、これからさらに激化していきそうです。

ファーウェイの「Huawei Pocket S」はGalaxy Z Flip4より安い価格で登場

山根博士のオフィシャルサイト

「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!

 長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!

 「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む

ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。

mobileASCII.jp TOPページへ