末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢

人口でまもなく中国を抜くインドはスマホ市場もまだ成長が続く 自国メーカーLAVAが「5G最安」の1万円台で5Gスマホ (2/2)

文●末岡洋子 編集● ASCII

2022年11月23日 10時00分

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フィーチャーフォンからスマホに拡大するインドのLAVA

 今回紹介するLAVAは、実はここには入っていない。というのも、LAVAは今もフィーチャーフォンが主力(そのほか、ノートPCやタブレット、アクセサリーも展開している)。LAVAは新興ではなく、インド国内では以前からあるメーカーで、フィーチャーフォンではインド2位、世界3位で、スマートフォンは今後強化するという段階だ。

 そのLAVAがディーワーリー(インドの正月、今年は10月24日)に合わせて発表したのが「Blaze 5G」だ。5Gの需要増に合わせ、10000ルピー(約1万7000円)を実現。5Gスマホでは最安をうたう。

 スペックは、8コアのMediaTek Dimensity 700をベースとし、RAMは4GB、ROMは128GBで、microSDで拡張可能。画面サイズは6.5インチ、カメラは3眼でメインは50メガ、フロントカメラは8メガなど。OSはAndroid 12を搭載する。5Gはインドで提供される5Gの全周波数帯をサポートする。

 製品ページ(https://www.lavamobiles.com/smartphones/blaze-5g)からもわかるように、基本的には若者をターゲットとしている。インドの記者仲間によると「(LAVAは)カッコいいブランドではなく、フィーチャーフォンのイメージ」とのことだった。

 LAVAはインドメーカーながら、デザイン、設計、ハードウェア、ソフトウェアと自社ですべて設計できる体制を持つ。研究開発に力を入れており、技術力を大きな差別化としているようだ。

 RAM、ROM、カメラなどカスタマイズできる「myZ」など、ユニークなアプローチをとっており、フィーチャーフォンで培ったブランド力が、フィーチャーフォンユーザーがスマホにアップグレードするにあたって有利に動くという勝算と思われる。

 インドも中国との関係が不安定な中、このような国産ベンダーが市場で存在感を増してくる可能性は大いにありそうだ。

 なお、LAVAはすでにアジア、南米でも展開している。

 

筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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